青空が目に沁みる日は
お地蔵様にお水をあげることが日課となっているわが家なのだが、その途中にある柿の木をふと見上げた。
目に染込むような冬の青空である。
こんな美しいものを目にしたら、中原中也や萩原朔太郎なら、詩のひとつもつくるだろう。石川啄木なら、ぽろぽろと歌を溢れ出すかもしれない。
そうだ!と天啓を受けた私は、いそいそとハサミを取りにいった。
仏教でも、「この世のすべての事象は、原因の中にすでに結果が包含されている」と考えられているではないか。禍々しき災いの卵は、ふ化する前に取り除かねば。半世紀前のCMでも「いやな臭いはモトから断たなきゃダメ!!」と言っていた。
取り除かねば!
断たねば!
イラガの卵を!
なにしろ私は遠視なので、遠目は効く。針穴に糸を通すことはできなくなったが、アウトドアでは使い道のある眼力なのだ。こっそりと産みつけられた卵など、お茶の子さいさいで見つけられる。高いところにあるものは、高枝切り鋏を使い、まっぷたつだ。どうしてもハサミがすべってしまうものもあるが、それは枝ごと切り落とした(上写真)。ざまーみろ。
4本ある柿の木をチェックして回り、ゆうに1ダース以上は抹殺できた。ということを、H氏と全世界に報告したい。ついでに、ぜひイラガの情報網にも混線してほしいものだ。
青空が目に沁みる日は、イラガの卵退治にうってつけの日なのである。