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紙魚子の小部屋 はてな版

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

イチオシ本の読書会

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

ほんとはしっかり事前準備が必要だったのに、まったくといっていいほど準備不足で、いきなり読書会に臨む。今回初めての試みなのでネタ本のストックが有りすぎて、絵本袋ふたつを会場に運び込む。

 

それにしても10人に満たない人数だが、見事にかぶらない。それどころか、まったく違うジャンルの本たちが、ひしめいていた。

 

今回、私が紹介したのは以下のとおり。

 

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中2のとき、とても仲の良かった友達に紹介されて、夢中になったモンゴメリのエミリーブックス3部作。プリンス・エドワード島で作家をめざす少女の 青春物語。私的には「赤毛のアン」のシリーズより、はるかに面白い。起伏ある恋愛模様、家族との葛藤、教師との対立、かっこいい友情。すこしばかりゴシックな味わいも。仕事も恋愛もどん底で絶望にまみれた暗黒の日々もあり、なかなかビターだ。なんらかの才能があるというのは、実はたいへん苦しいことでもあるのだ。

 

しかし、深く対立関係にあった人々との和解や、エミリーのたゆまぬ努力、人生で突き当たる壁への恐れを克服していく過程、ゆるぎない自分 自身への矜持、もちろんモンゴメリならではの自然への尽きせぬ愛もふんだんに盛り込まれている。

 

そう、モンゴメリといえば村岡花子先生訳である。ティーンの私が、年1は必ず読み返した青春の愛読書。ツツイ(筒井康隆先生)ファンの私しか知らない高校時代の友達は、乙女な一面に驚愕するかも(笑)

 

一転、民俗学的な話題がぎっしりの1冊をご紹介。昔話や伝承、絵巻などを縦横無尽にひもといて、瓜や龍についてのあれこれを解き明かして行くスリリングな1冊だ。

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瓜といえば、蔓、水、北斗七星、天の川、天体、七夕、瓢箪・・・とどこまでもナゾがナゾを呼ぶ。芋づる式に次々に変化する話題と、絵図などの資料がふんだんに盛り込まれた、奇跡の本だ。日本の伝統文化って軽々しく使うけど、いや〜、これを読んで知ったこと数知れず。中世のことばあそびやなぞなぞ、絵の中に文字が隠されている「葦手絵(あしでえ)」(平安時代に流行)などの文化満載で、1冊読むと古代~中世~近世に渡っての日本の水脈に浸れまくれる。こんなに濃いのに、児童書なんですよね、一応。だからこそ、わかりやすいという部分も。

版元は福音館というのも頷ける。他のところでは、とてもこんな贅沢な本は作れないだろう。「いまは昔 むかしは今」のシリーズ5巻の内の1冊。

惜しむらくは、百科辞典並みの大きさと重さなので、持ち歩くことができないのと、1冊が8千円以上していた(私が買った当時)ので、おいそれとは買えないこと。図書館でぜひご覧ください。

 

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『拝復』は、敬愛してやまない池田澄子さんの句集。今日、紹介しようと思ってたのに、ど忘れしてしまって残念だった一句。

 

売り切れの うぐいす餅の あった場所

 

ショーケースの「うぐいす餅」のプレートの向こうに、黄緑色のきなこが散らばった様子まで目に浮かんできますよ。いそいそと「うぐいす餅〜♪」とお店に来たのに、空のショーケースを呆然と見つめる作者の落胆ぶりが、ちょっと可笑しくて微笑ましい、大好きな一句。

 

『風のささやき』は、姫野カオルコさんのショートエッセイ。同級生の親よりずっと年かさのご両親をお持ちのカオルコさんは、介護生活もかなり早くに訪れたとか。時間がなく、疲れきった介護者も読めるよう、ひとつが5ページくらいの短さだけど、境遇を同じくするひとたちのつぶやきをそっと贈る、カオルコさんのやさしさにグッときます。

 

『いいビルの写真集 west』は、そのまんまなビルとその内装、フロア、階段、手すり、床デザインなどなど、素敵なビルの写真がこれでもか!と目白押し。残念ながら、今はないステキビルの、ありし日の姿も見られます。これを片手に大阪ビル巡りもできる趣味と実用を兼ねた1冊。

 

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『カラフル』『月のふね』を読んだ感動をふたたび味わえそう、という期待に満ちてページを開いたら、いやもう、それ以上に期待できる小説。50年前の教育状況から始まる、硬軟とりまぜた筆致が素敵。1ページの濃さがハンパない。キャラクター設定もありありと目に浮かぶし、ほんのとば口しか読んでないのに、おススメしてしまいましたよ。その場にこの本を読了した方もいらして、私同様絶賛されていましたから、安心してここでもおススメしておきます。久しぶりに納得の森絵都節炸裂。というか、彼女はパワーアップしてますね、確実に。こんなに続きを読むのが楽しみな本って、ほんと久しぶり。