あこがれのタルトタタン
会館を出て、雨の岡崎界隈を歩く。東北旅でも重宝した薄手のレインコートを着用したのは大正解だった。雨なのでさほど寒くはないし、傘があっても濡れているので、ウールのコートではますます重くなる。
噴水の向こうは動物園だ。
なんとなく、冬の動物園はデートコースによさげな気がする。雨の動物園も大人な感じがする。ちなみに「冬の動物園」というタイトルで谷口ジロー先生がコミックスを、「雨の動物園」というタイトルで舟崎克彦先生が児童書を出されている。
平安神宮の応天門を右手に見ながら、まっすぐまっすぐ。スターバックスや蔦屋書店も通り過ぎ、そのまま川を越えて直進して行くと「細見美術館」が目前なのだが、川を越えず反対方向に右折。
実は細見美術館の近くにタルトタタンの美味しいお店があるという情報をネットで拾ったので、行って見ることにしたのだ。
「タルトタタン」というケーキがある、というのをNHKEテレの『グレーテルのかまど』を見て以来、「タルトタタンというものを食べてみたい」と思っていたのだ。タルトタタンとは、どういうものか? 林檎のケーキで、えらく手間がかかるから自分で作るのはムリだということくらいしかわからない。でも食べてみたいのですよねえ。ケーキの名前というよりは、ほとんど魅惑の呪文ですね、タルトタタン。
たっぷりと林檎を使った、しっとりしたケーキ、タルトタタン。ヨーグルトソースをかけて召し上がれ♪ と、かまど役のキムラ緑子さんの声が、聞こえて来そうだ。
しっとりと美味しい林檎のケーキは、アップルパイとはまた違って、のどごしがやさしいのでお年寄り向きかも しれない(そういえば、おばあちゃんに、「りんごのコンポート」をよく作ってたっけ)
お店では、青森から林檎を直送されているそうで、となりに青森グッズのスペースも 併設されている。こぎん刺しのポーチや林檎の種類別のジュースなどもあり、かわいく楽しいスペースだ。
東北の味が懐かしくなり、林檎のジュースを購入。ラベルもたいへん可愛いです。上が「紅玉」、下が「ふじ」のジュース。
タルトタタン以外にも、チョコレートケーキの「オペラ」と「くるみのタルト」もある。いずれ制覇してみたい。