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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

御殿の外

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バスの時間までの間、御殿の外を見る。リミットは20分だ。国宝の金堂に向かって石段を登って行く。いきなり左側に現れたゴージャスなものは、勅使門。これが表から見たところ。

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もういちど、おさらい。

大正2年(1913年)竣工。設計は京都府技師であった亀岡末吉。檜皮葺屋根の四脚唐門で前後を唐破風、左右の屋根を入母屋造としている。また、鳳凰の 尾羽根や牡丹唐草、宝相華唐草文様や幾何学紋様など、細部にまで見られる彫刻装飾は、伝統的和様に亀岡独自の意匠を取り入れたもので、斬新かつ見応えがある。(緑の字は仁和寺HPより)

 

たとえば西本願寺の唐門のように、極彩色でさまざまな動物たちが跋扈するゴージャスさもあるが、こちらの勅使門は彫刻のワザの冴え具合がただならない。ひたすら見とれる。設計した亀岡さんって、とても繊細でフェミニンな感性の持ち主なのかも。この洗練されたデザインは、「亀岡式」と呼ばれているらしい。

 

全体の写真を撮り忘れたけど、朱色の中門をくぐる。

中門は二王門と金堂の中間に位置し、五重塔や観音堂といった伽藍中心部に向かう入口ともいえる門。切妻造・本瓦葺・柱間三間の八脚門で、側面の妻部には二重虹梁蟇股が飾られている。また、向かって左側に西方天、右側に東方天を安置している。

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ということで、こちらの西方天=広目天龍神富単那(インドの悪霊/吸血鬼/ゾンビ?)を眷属とする。

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こちらの東方天=持国天乾闥婆(インドの音楽神)、毘舎遮(インドの人食い鬼)を眷属とする。

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 名勝「御室桜」の石碑がある。この殺風景で無骨な樹々が、春には美しく咲き乱れるのだ。目下、黙々と彼等の世話をしているひとたちを見かけた。

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この遅咲きの低木は、江戸時代から人々に愛でられていたのだ。

さらにずんずん進むと、見えて来ました右手に、五重塔! りりしく美しい。今回は時間が無いので、近くまで行かなかったのが、少し心残り。

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 とにかくも、金堂まで、急げ急げ!

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やっと到着。パッと見、なぜに国宝?という地味さだが、いやしかし、アングルを変えて詳細に見やると、全然地味なんかじゃない!

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屋根のつくりひとつとっても、丁寧できらびやか。いやでも、価値があるのはそんなところじゃない。実は「金堂」は内裏紫宸殿を移築したもので、安土桃山時代の宮廷建築を伝える現存最古の紫宸殿だから、国宝となったのだ。

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堂内には、仁和寺ご本尊の阿弥陀三尊像や四天王像があるらしい。

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しかも壁面には浄土図や観音図などが極彩色で描かれているらしいが、見ることはできない。中には入れないのです(悲)

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うーん、たしかに、優美で上品だわ。

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随所に黄金の菊紋。

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横から見た方が、より装飾的。

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瓦の凝り具合も相当。

さて、駆け足で経蔵へ。重要文化財

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寛永〜正保年間の建立。宝形造、本瓦葺。正面に両開きの板唐戸、左右に花頭窓を付け、禅宗様で統一。内部は釈迦如来文殊菩薩普賢菩薩など六躯を安置し、壁面には八大菩薩や十六羅漢が描かれているそう。

経蔵らしく、火焔宝珠がてっぺんに鎮座し、法輪の鬼瓦がつけられている。
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内部中央には八面体の回転式書架(輪蔵)を設け、各面に96箱、総計768の経箱が備えられており、その中には天海版の『一切経』が収められている。回転 式書架ということは、これをひと回ししたら、お経すべて一回よんだほどの功徳が積める、というやつだね。これ、清涼寺で回した覚えが有る。

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前にお坊さんの説明付きで歩く熟年カップルが。うらやまし〜と思いつつ、大急ぎでもと来た道を戻る。バスに間に合い、京都駅で行列につき抽選をしたあと、3時過ぎの電車に飛び乗り、家路をたどった。

えっ? 京都駅ビルの抽選結果? 「からくじ無し」だから、コーラ味のあめ玉1個でした(それはもしかしてハズレでは・汗)