『結婚式のメンバー』
今日は読書会。テキストはマッカラーズの『結婚式のメンバー』。さあて、残り50pをがんばって読まなきゃ! って、当日の朝に50p残すなんて、無謀にもほどが。
それでも当日の朝に読むと、切羽詰まってるいるせいか、読書がカラダに沁み入るように入って来て、「当日の朝に残しておく」!!のが、すっかり習い性になってしまった。いけないいけない。今日なんか、年度末の大事な〆の日なのに、ホントにギリギリだったし。
それでもアメリカ文学を読むと、大学2回生で1回の授業で1短編読んだ、キビシイ英文講読(アメリカ文学珠玉短編集を読破)の授業思い出すなあ。寡黙な先生だったが、静かに「予習しない人は授業に出ないでください」とおっしゃったのが、シンと静まり返ったなかで、逆に迫力だった。ジェントルで、たまにぼそっと面白いコトを控えめに言ったりする先生は、好きだったし。
中でもキャサリン・アン・ポーターの短編に感激して、同じ気持ちの友達と盛り上がって鴨川沿いに2時間以上徒歩で、おしゃべりしながら京都駅まで帰ったりし たっけ(彼女は駅近くがお家だった)。途中のサーティワンでアイス買ったりして。懐かしいなあ。
『結婚式のメンバー』は、はちゃめちゃな思考と行動のアメリカの田舎の小娘が、うだうだと悩んでいる動きのない小説だから、ハー ドル高いかなあ・・・と思ったけど、マッカラーズの良さがわかるひともちゃんといて、ひと安心。描写力のスゴさは理解してもらえるにしても、ヒロインの小娘のはちゃめちゃさに共感してもらうのは難しいと思っていたので。人によりけりかもしれないけど、どんなに年をとっても読者の思春期直前直後の記憶や感情を、鮮やかに引き出してくれる小説であることも実感。思春期に入る前の混乱や矛盾する気持ちに身に覚えがある人は、共感しやすいと思う。
翻訳は村上春樹さんで、僭越ながらうまいとは思えないけど、そこは確信犯で、わざとフラットに客観的に個性を押さえて訳されたのかも。彼の「あとがき」は秀逸で、この小説を読み解く一助になるので、ぜひ「あとがき」から読むことをおススメします。