京博「海北友松」展と桜の中の野外展示
4月12日
大きい本屋さんに行く用件があり、京都へ。
ついでに??京都国立博物館の『海北友松展』へ。 待ち時間もなく、すんなりと入れる。さほど混雑もなく、快適な鑑賞環境。
友松というひと、鈴木其一同様、狩野派の師匠がこの世を去ったあとに、それまでの狩野派画風を捨て、自分の個性を開花、というか爆発させる。友松60歳。昔の人は師匠に律儀なのだ。
年を重ねても、画力が衰えるどころか大作にも挑み創作意欲満々。巷では大人気の画家となり、寺院や皇室からも注文殺到。義理堅く友情に厚く、歌も詠む文化人だけど、洒脱でユーモラスな反骨精神も垣間見える。やはり「ただもの」ではない。
人物のとぼけた表情や、動物たちの可愛さ必見。ダメダメな仙人もステキ。役に立たないもの、つまらないものを愛し、効率的でないことを大切に思っていた(はずの)友松って、「わかってる」人だと思う。
可愛くて楽しい絵がいっぱいあったのに、絵葉書のチョイスがイマイチだったのが残念。何も買わずに帰宅。
Eテレの「新日曜美術館」でも紹介されたので、もしかしたら、若干お客さんは増えたかも。でも入口で列をなして、ということはないよう。あと3週間、5月の21日まで。
京博では「屋外」展示のあれこれを見つつ、お花見もできた。チョー穴場かも。それでは若葉の頃に、お花見をお裾分け(遅!!)
鎌倉時代の石灯籠に、枝垂桜はよく似合う。
石の窓から、桜の灯りがともる。
ようこそ! ようこそ! ようお越し! と桜たちにお出迎えしてもらえる。ヤエザクラは、しっかりと丹念にお化粧したおねえさんのよう。となりは葉っぱから出る種類の桜なのかも?
これぞ三位一体! 曇りなのが残念。
地面に届きそう。お子様たちも、思わず触れたくなるだろうな。
散り敷かれた花びらも、風情たっぷり。
松と枝垂桜のコラボ。繊細にして絶妙。作庭師の面目躍如な美的センスだ。
寺院から発見されたキリシタンの墓石らしい。桃山時代のもの。当時のキリシタンの遺物は、弾圧でほとんど破壊されてしまったので、稀少なのだ。
赤煉瓦の塀をバックに石仏。以前は博物館前庭の違う場所にいらっしゃった。あの頃は、タンポポに囲まれていらっしゃって、それは和やかだった。ここはここで散華ならぬ桜の花びらを受けて、静かに微笑んでいらっしゃり、それなりに満足されている(と、思う)。
平安時代からのほほえみ。
平日とはいえ、これほど人気(ひとけ)のない桜の庭を、のんびりと歩けるなんて!
桜の枝の先には、ちいさなタンポポさん。花同士のかわいいトーク。
ぎっしりの花をつけた枝垂桜の巨木。
ラッシュアワーなみの混み具合に、息詰まるほど!
桜ばかりではなく、もみじの若葉も初々しい。
常緑樹の下には、珍しい光背をしょったお地蔵様がいらっしゃる。
鎌倉時代の東大寺復興の頃、招かれた中国の石工による影響で、石彫像が流行したらしい。
お不動さまも石造り。
ベンチもあるし、桜の下でお弁当も食べられたのに! しかもココを見に来る人は、ほんの若干名なので、ゆっくりできる。
来年の課題にしておこう。(たぶん来年にはすっぽり忘れ去っているだろうけど)
他にもいろんな遺構などがあるので、京博に来られたらいそいそと出口に向かわず、野外展示もご覧ください。のんびりできますよ〜。