旧議場
こちらは府議会が行われる議場になる。ガイドの女性は、久しぶりにやって来たらしい見学者に、内心大ヨロコビされている様子だった。それはうれしそうに説明してくださった。
この議場は、明治38年から昭和44年まで利用された。
平成25年まで府政情報センターとして活用されていたが、その後、現存する写真などをもとに工事が行われ、平成28年3月に、明治の頃の姿に修復された。
「この議場の装飾も、アカンサスなんですよ」
壁面の、和風建築では釘隠しにあたるこの装飾も、アカンサスだ。
古いけれどしっかりしたものなので、いまでも充分演台として使えそう。
ガイドの女性と、和やかにガラケー談義をしたり、植物・アカンサスについての詳しい話をきいたりする。彼女によれば、アカンサスの説明を始めると、みなさんスマホでアカンサスの画像を呼び出されるそうだ。時代だなあ。
真鍮のドアノブにも、そしてカギ穴にも装飾。職人魂だ。こんな細工はもうできない技術らしい。
シャンデリアは失われていたので、明治期の写真を参考にしながらの特注品。
地震に備え、リモコンで下に降ろせて移動出来るシステムになっているという説明を受けるが、私とさほど年齢が変らなさそうな案内係の女性は、「そのリモコン、このシャンデリア1基を同じお値段なんですよ!」と驚きを隠しきれないように繰り返していったあと、でもリモコン、どこにあるのかしら?とつぶやいてらした。
議場と本館玄関横に、ひっそりと「アカンサス」が育てられていた。
ツツジやサツキも見頃を迎えて、まもなく黄金週間になる。