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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

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海に住する山の寺?

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

境内は緑がたっぷり。

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お堂の横に、ちいさな赤いお地蔵様の祠があり、白い案内板には「やる気地蔵」の文字と「何くそ、何くそ、何くそ、と祈る」。

ええ〜っ、うそうそ〜! それお祈りじゃないし〜! ・・・って、これがあることに気づいたのは、これを書いているたった今。よかった現地で気づかなくて。いきなり鼻白んでしまっただろうから。

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お堂の屋根には、ちょっと珍しい立方体のデザイン。

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 さて、由緒から。

創建は天平7年(735年)。古い!! 奈良時代だ。

 

聖武天皇が大仏造立平安祈願の為、良弁僧正に命じて建立させ、十一面観音菩薩を安置したのが始まりと言われている。しかし時代がくだり平安時代の末、保延 三年(1137年)に焼失。その後、承元二年(1208年)笠置寺にいた解脱上人貞慶がこの観音寺の廃址に移り住み、草庵をいとなんで「補陀洛山 海住山寺」と名づけ中興された。この後を継いだ慈心上人覚真は先師の遺志をうけ、戒律を厳しくし、寺観の整備に力を尽くした。

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それにしても海に住む山寺っていう寺号と、和歌山ならいざしらず、海に面していない山寺で「補陀洛山」って山号が気になるところ。普通は熊野から出航?する「補陀洛渡海」(30日分の食料を積んで、釘で閉じ込められた船で海に出されるやつね)っていう捨身往生だもんね。

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インド仏教では、観音の住処は南海にある「補陀洛山(ポータラカ山)」ということになっている。海に住する山である補陀洛山になぞらえる意味があるとか。井上靖の『補陀洛渡海記』という小説にもなっている風習?だ。私は半村良の『妖星伝』で補陀洛(ポータラカ)って言葉を知ったんだけどね。

 やはりご本尊が十一面観音さまだからだろうな。

『補陀落渡海記』
『補陀落渡海記』『
『補陀落渡海記』
『補陀落渡海記』

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お参りの先に、ちょっと境内をぶらぶらしてみよう。

 

石灯籠の窓は、珍しい法輪デザイン。

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国宝の五重塔。ここのはちょっと変わり種らしい。

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現存の五重塔 (国宝)は、建保2年(1214年)慈心上人によって建てられたもので、心柱が初層で止められている点が建築史上有名。寺門は大いに栄えて塔頭 58ヶ坊をかぞえた時期もあったとか。

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昭和38年(1962) の解体修理にあたり、五重塔初重の軒下に裳階が復元される。

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鬼瓦は奈良風。鎌倉時代に建てられたものだけどね。

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青紅葉のきれいな時期だけど、赤い紅葉ともマッチ。

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下から見上げると、やはり迫力があるねえ。

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ズームして塔の先端にある「水煙」を観察してみる。寺院にしてはモダンな形だなあ。

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なんとこの水煙、東大総合図書館前の噴水とほぼ同じ形らしい! 水煙について検索していたら、偶然そのことを知ってびっくり。

d.hatena.ne.jp

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 どこにどう繋がって来るのか・・・ほんと、「犬も歩けば棒にあたる」。ささやかだけど、調べ物をする楽しさと醍醐味だ。

 

そして面白いものがもうひとつ。

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見たこと無い狛犬! ほぼ「ゆるキャラ」だ。

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しかし「ゆるキャラ」と思わせ油断させておいて、意外に獰猛なのかも??

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では、いよいよ参拝。拝観受付で400円をお支払いして、本堂に上がらせていただく。

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