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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

山路(やまみち)を下りながら、こう考えた。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

本堂の入口には、ちいさな白髪の、とても上品な老婦人が座っておられた。こんな山奥に不似合いなほど、洗練されて上品な物腰と話し方だったので驚く。もちろんお寺の奥様だろう。「奥へ、どうぞ」と優しくうながしてくださる。

 

ご本尊の十一面観音さま。もちろん写真撮影禁止なので、絵葉書より。ホントは正面からしか見ていないので、印象は少々ちがうような気がするが、ごくごく間近で拝見できた。四隅(といってもごく近く)にいらっしゃった、大きな四天王に守られていらっしゃった。

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こちらは子ども体形の十一面観音様。今にも歩き出しそうな足がチャーミング。

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精緻で、美しく彩色された下の四天王像は、残念ながら今回拝見できなかったが、ガラスケース越しながら奈良博で2度じっくり拝見したので、よしとする。たぶん奈良博にいらっしゃるはず。

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来迎図、歌や踊りで「おむかえ」に来てくださる仏族ご一行様。最高ランクのフルでは25名のお迎えだけど、生きている時の所業によっては最低3名になるときも。

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いずれも本堂は暗くて、間近なのにやや見づらいかも。私は十一面観音様の足元におられた、翼のあるカラス天狗のような飯綱権現さま(だったと思う)に夢中。とても丁寧につくられていた。

仏間のとなりの部屋では、さまざまな展示があり、それらもゆっくりと拝見する。2巡するほど見たけど、時間が有り余ってしまったので、バスの時間にはまだまだだけど、外に出ることにした。

 

クマザサの中にシャガの花。

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ほど近くに山を臨める、雄大なロケーション。向こうには、来た時には通らなかった、ちいさな山門もある。

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行ってみよう。

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 鬼と獅子がふたりそろって睨みを利かす、珍しい屋根。

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見る角度を変えると、やや離れて見える。

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てっぺんには、鬼とシャチホコ。遠目では質素なのに、近くで見ると意外にゴージャス。

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この門から出てみよう。石段が急勾配だった。手すりは鎖で、いかにも修験道っぽい。

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扁額は板に赤い文字。しかも右からの昔風な書き方。

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ゆっくりと気をつけながら降りる。

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山の中なのでウグイスやヒバリなど、鳥の声がたくさん聴こえる。まるで草枕の冒頭のようだ。私は坂道を登るんじゃなくて、下っているんだけどね。しかも何も考えてない! 草枕の主人公のように、躓いて転けかけることもなかった。

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さすが奈良に近いだけあり、ポールの支えは鹿! きっと文化的には南山城(みなみやましろ)は奈良に属しているんだろう。

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石柱に石仏さまが。

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この枝道を辿ると昔の地位が高かったらしきお方の墓場に行きつく。寄り添うタンポポが可憐。

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やっと視界が開けた。結構高いところにいるんだ。

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中門なのか、赤い門があった。ムダに石段を登って降りなければならず、潜らなかったけど。

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坂道を下る間、行き交う人もなく、ほぼひとり。若い時には不安で歩けなかったかも?おばさんの特権だね。

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山際にシャガ。昔通り、この辺ではGWに咲いているんだ。(家のはもう少し早い)

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この恐るべきカーブを見よ!!

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ここで、珍しく下から徒歩で登って来たひとに遭遇。しっかりバテバテなご様子だった。 一縷の希望を瞳に宿しつつも気落ちする覚悟を用意しつつ、「まだ先は遠いですか?」と訊かれたので、「もうちょっとで着きますよ」とお答えする。

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このヘアピンカーブを降りると、茶畑に遭遇する。薫風という言葉を実感する。

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「素晴らしき哉、世界」な風景。しかしこの道をカーブすると・・・

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右手には、こんなものが!! こんな至近距離でこれに遭遇するのは初めてなので、空気を通してビリビリ来ないか、びびるびびる。「恐ろしきかな、人間」と、山の動物たちは思っていることだろう。

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あの柵は、タケノコ保護のため? タンポポとコラボするタケノコって、初めて見た。こんなに大きいと食べられないけどね。

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林立するタケノコたち。

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そういえば、今年は一度も食べなかったなあ。毎年どこかからやってくるので、「いただけるもの」と思っていたけど、ついに今年はスルーしちゃったなあ。買ってでも食べたらよかったかなあ・・・と坂道を下りながら、旬のタケノコをたべそこねたことを、くよくよと考える。

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人家も多くなって来たし、そろそろバス通りかな? それでもバスが来るまで40分ちかくあるけど、どうする!?

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