茨城の民家
大急ぎで見なくちゃならないのに、ついつい足を止めてじっくり見てしまう。でもまだこのときには、上を見る余裕があったようだ。
ふたたび家の中に雨樋のある民家。ちょっと東北の曲がり家に似ているカタチだ。
そうか、江戸時代後期には茨城県や栃木県にも曲家(まがりや)があったんだ。その影響を受けた分棟型の曲家もどき。
茅葺きに土壁、竹のはまった大きめの窓がカッコいい。うっとり。
もちろん住んでみたら寒いだろうけどね。
「作り手」をいやが応にも感じさせてくれるんだよなあ。いいなあ。
厩の地面には傾斜をつけて、オシッコを一カ所にあつめ肥料にしたり、土間を客席にして部屋の間仕切りにスクリーンを張って映画を上映したり、興味深い暮らしのいろいろ。
しかし雨樋は、けっこう溢れることがあったんだ。茅葺きって雨樋にゴミがたまりやすかったんだ。しかし夜中に樋のごみ取りをするのは辛いなあ。下の写真が、家の中にある2軒分の雨樋。
朝ドラ「ひよっこ」みたいに農業だけではやっていけないので、炭焼きや薪の出荷もしていた。
江戸時代には紙漉も。養蚕は短期間でギブアップして、飼育用のカゴを利用して、乾燥芋の製造をしていたらしい。一日中働き詰めの、キビシい生活だったんだなあ。
こちらの梁も、なかなかにユニーク。
土間に落ちる木漏れ日。
麦や蕎麦、落花生やサツマイモの栽培もしていたそうだから、蕎麦粉や小麦粉もひいていたのだろう。
梁、縦横無尽!
日常生活をいとなむ「ヒロマ」。奥に畳敷きの「ザシキ」が見える。