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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

町田で「本の雑誌」厄除け展。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

武相荘』のショップで絵はがきなどを購入した後、山を下りて下界に戻る。またしても徒歩で鶴川の駅まで戻った。バスの時間が中途半端だったのだ。今回は本当によく歩く。

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歩道のアスファルトの隙間から生えていたタチアオイ

 

鶴川駅から小田急小田原線二駅で、町田に到着。町田は大きな駅だ。大きな街だけど、人情があって気っ風がよくて、きさくな人たちがいそうなところ。そして魚が美味しそうなところ。須磨みたいに、駅前にちいさな魚屋さんがあったから。

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駅前はこんなかんじ。駅から徒歩でいけるらしいけど、ちょっと難しそうな場所をめざす。町田市民文学館「ことばランド」へ。ここも、今回の旅にでかけるちょっと前に、たまたま「本の雑誌厄除け展」開催中なのを教えてもらって、急遽、予定にねじこんだ。

 

コロンブス・ビルの前に大きな銅像。卵型の地球?に乗ったコロンブスらしい。

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何度も道を尋ねつつ、ようやっとたどりついた「ことばランド」。はああ。

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2階が会場になっている。

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私が「本の雑誌」を読み始めたのはいつだっけ。20歳くらいだったかな。時代は80年代に入ったばかりで、京都の大学近くの本屋さんで偶然見つけた。まだ不定期刊で、背表紙がなくて、群ようこさんと佐野洋子さんのエッセイが人気のWヨーコ黄金時代だった。まだ群ようこさんが単行本デビューする前、編集長の椎名誠さんがブレイクしていた時代だ。

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沢野ひとしさんのイラストも好きだったなあ。

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でも大きな本屋さんで「『本の雑誌』ありませんか?」と聞いても、怪訝な顔をされる店員さんがほとんどだったっけ。それが季刊になり月刊になって、やっと本屋さんにも周知されるところとなった。

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森絵都さんも、佐藤多佳子さんも、この本の書評で知ったひとたちだった。

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いまや、すっかり疎遠になってしまったけれど、大好きな吉野朔実さんの追悼特集が昨年出たので、久しぶりに購入した。

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まさしく青春時代をともに過ごした雑誌である。その後、お仕事でもお世話になった。

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なんて素敵にジャパネスク』のブレイク時をスルーしていた私が、氷室冴子さんを読むきっかけは、執筆陣のおじさんたちが、こぞって彼女の『恋する女たち』を「読むべし!」と押していたから。その後『ジャパネスク』のシリーズは、赤ちゃん子育てをしていたときの大いなる愉しみとなり、番外編まで読破した。

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あっ、この表紙は、去年の冬に銀座の教文館で買ったブックカバーと同じ物だ!

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などと階段ですでに充分懐かしがっていたが、ここがやっと入り口。

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彼らの創刊時の夢想はしかし、今や「街の本屋さん」自体が激減しているという悪夢に変貌している。でもこの雑誌のポリシーは変わっていない。

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一時は廃刊の危機も訪れたが、厄年までなんとか生きながらえた。

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この展示では70年代の『本の雑誌』に至るまでのメンバーの出会いから始まっている。また往事の若者たちの向こう見ずな熱気が伝わってくる。「若者たちの向こう見ず」が許される時代でもあったのだろう。

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ここでバイトをして編集者になったり、投稿して作家やエッセイストになった人たちも多々いらっしゃるらしい。そんな彼ら彼女らの言葉も寄せられていた。『本の雑誌』が創設した「本屋大賞」も、すっかり世間の人々に周知された。

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本の雑誌』スタッフ、執筆陣の人々の「おすすめ本」リストのプリントも「ご自由におとりください状態」でごっそり置いてある。もちろんごっそり全種類いただいた。

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吉野朔実劇場』の生原稿があったのも、うれしかったな。

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もちろん雑誌の顔でもある沢野ひとしさんの絵も、たくさん。

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じっくりたっぷり拝見し、思い出にひたりつつ、充実した展覧会を後にした。1Fでトートバッグやブックカバーなどを購入。

 

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町田駅まではなんとか戻ってこられたが、駅構内で迷いに迷った。思わぬ時間ロス。

 

新横浜まで行き、予定より1時間後の新幹線に乗る。新横浜からは満席らしかったが、なんとか座って帰ることができた。3日ぶりの滋賀県は、麦秋まっさかりだった。

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