猿丸神社から禅定寺へ
青紅葉に感嘆しつつ、鳥居をくぐり裏参道の階段を下りる。
みごとな別世界だ。
一本だけ、赤い紅葉があった。年中あかい「ちしおもみじ」だろうか。
真っすぐに立つ杉か檜の下には、鮮やかな緑色のシダの葉が、目一杯腕を伸ばしていた。
駐車場に戻る一行。次は禅定寺(ぜんじょうじ)だ。今回のツアーの目玉である。
禅定寺前で下車し、階段を上る。ここは平板に見えるけど、その割にはけっこう石段があった。
まず最初の門をめざす。
すてきな書体で石に彫り込まれた寺号。
雑草は取捨選択されているような、自然でかわいらしいアプローチだ。
やっと次の仁王門に到着。サツキの咲くいい季節だ。
下から見たときはそうでもなったけど、案外高い。
禅定寺は、平安時代に藤原兼家(藤原道長の父。関白・太政大臣)の帰依を受け、東大寺の別当を務めた僧・平崇によって10世紀末に創建。当時は東大寺の末寺だったが、後に宇治の平等院の末寺となり、江戸時代には曹洞宗の禅寺となっている。
山号は補陀洛山。
丸瓦は、禅定寺特注品。でも禅定寺って三文字なのに? もう一つ禪の字が入っていた。「禅寺」ということなのかな? そういえば、座禅のできるお寺だったっけ。
巨大なわらじがあるということは・・・仏像ファンならご存知、仁王さまへの奉納品。仁王さまにわらじを奉納すると、足が丈夫になるご利益があるといわれている。
わらじは奉納できないけれど、足は丈夫にしてくださいませ!! と、厚かましいお願いをする。
よろしく!! と念を押しておく。
こちらの仁王さまにも!
たのんます!!
昔は京都と奈良と滋賀県と三重(伊勢)を結ぶ交通の要所だったんだろうなあ。いまはとんでもない僻地と化しているけれど。
でもだからこそ、守られている物もあるのかもしれない。