禅定寺本堂
禅定寺は「藁葺き」で有名なお寺だ。藁葺きの古民家を満腹になるほど見てきた私も、お寺の屋根なら珍しい。
私の子どもの頃は町内に、まだ藁葺きの家がちらほら残っていた。屋根に草が生えていたりもした。
こちらの絵馬。文殊菩薩で有名なお寺なのだ。ということは、受験用の絵馬ですね。
ご住職の、たぶん「禅定寺関係」の蔵書。上の段には「見仏記」もあるらしい、と他の人のブログで読んだ。
浩宮皇太子が学生時代、ご学友の女子たちとゼミ旅行でこられたことがあったらしい。証拠写真も残っていた。司馬遼太郎さんの直筆の俳句も↓
この本堂は、江戸時代に荒廃していた禅定寺を、金沢の僧「月舟」が再興した。
禅林寺の本堂背後の防災壁には、巨大な「大涅槃図」が描かれている。その大きさは「横45m×縦8m」。本堂の廊下から見たので、お釈迦様の首から下が木の陰になり見えていない。
この作品は全国より公募されたもので、お釈迦様の周囲108ブロックをワンブロックずついろんな作者の絵が寄せ集まっている。現代の涅槃図は色合いもポップだ。禅定寺のご住職の奥さまは、海外でも活躍なさっている洋画家さんなのだとか。
「寺院=渋い」という常識にとらわれていないところが、パンクな禅宗らしい(笑)
いや、禅宗は割合コンサバだけど一休さんが突出してパンクなのかも。
奈良にも近いこの地では、柿も名物であるらしく、檀家さんたちの協力のもと、「ころ柿」という平干しの干し柿を作られているのだそうだ。それを冷凍保存して、シーズンオフにお茶請けとしてお客様にお出しすると、珍しいのでたいへん喜んでいただけるとか。
大盛り二皿のころ柿を、気前よく出してくださいました! もちろん大好評で、みなさん、景気よく、ぱくぱく♡ あ、景気いいのは私だけか?
お茶の産地でもあるので、出していただいたお茶もとても美味しかった。白洲正子さんもここでお茶をだしてもらい、「ことのほか美味しかった」と書かれていた。
次から次に話を繰り出してくださるご住職。長い話はクドイか、退屈か、自慢話が多いんだけど、こちらのご住職は知的で話題も豊富。「へえ〜!」連発のトリビアルな話を交えて、聴く人を飽きさせない。ベクトルも多岐にわたっていた。その場での質問にも即答である。
サッシの向こうのお庭も素敵だけれど、釜の上の自在鉤もいいなあ。目が離せないくらい。
魚は火事にならないおまじないとして、また火のそばで居眠りをしないように、まぶたのない魚をかたどっているらしい。
この竹の根元も意匠としてなんとも面白い。