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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

京の夏の旅は、モダン建築めぐり。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

恒例となった「京の夏の旅」2017。今年は近代建築と高台からの京都一望を楽しんだ。

 

まず、一気に金閣寺近く衣笠あたりへ。バスを降りた公園では、今年一番の大迫力の蝉時雨を聞く。日本のモダニズム建築の先駆けとされ、大正から昭和にかけて活躍した建築家・本野精吾(もとのせいご)の元自邸。

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京都市考古資料館(旧西陣織物館)などの代表作で知られる本野が自ら設計して大正13年に建てたもの。日本最初のモダニズム建築作品とも言われている。わりに最近まで、お孫さんが実際に住まわれていたらしい。

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当時、コンクリートブロックむき出しの建物は斬新で、「ここのおうちは、ずっと大工仕事が途中どすなあ」と、ご近所さんに思われていたとか。でも関東大震災ももちこたえた「鎮ブロック」は、大正の関東大震災では倒壊を免れた数少ない建物だったのだ。外見は無骨だけど内装はシンプルかつ機能的。ドアノブのおしゃれさにぞっこん。

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バスに戻って、本野精伍氏についての説明を、バスガイドさんから聞く。そのなかで、山科にある鶴巻教授の邸宅だった「栗原邸」が、2億円で売りに出されていることを聞き、ショック。以前H氏と数日限定公開されていたのを見学しにいった、あのお屋敷が・・・。

 

紙魚子の小部屋 パート2(2009秋〜) - 2015年5月25日の記事一覧

 


ランチは、疎水近くの琵琶湖の水を取り入れた七代目小川治兵衛作のお庭をながめつつ、洋風建築の重鎮・武田五一がつくった珍しい数寄屋造りの「白河院」で、ひんやりした和風のお弁当をいただく。

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大きめの麩まんじゅうの他に、桃のゼリーのデザートもついてきて、満腹、満腹。お庭も欄間も鑑賞しつつ、のんびりと食後を過ごす。

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ガラス面の面積がとても広い。当時の技術の粋を集めたと思われる。

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おかげでまるで戸外にいるかのように、お庭を観賞できた。やはり座って見る位置が最高! 元気な鯉が水しぶきをあげながら、池を泳いでいた。欄間もよし!

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ふたたび、バスに乗り込み、午後の部へ。高校時代、体育の時間にランニングさせられた「知恩院」や「青蓮院」の門前の小道を懐かしく眺めながら、東山へ。いまから考えたら、なんて贅沢な体育の授業だったんだろう。

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バスを下車。今回、寧々さまゆかりの高台寺はスルー↑ いつでも行けるから、と思っているから、まだ行ったことなかったなあ。


バスから降りて、高台寺近くにある「大雲院 祇園閣」(施主の個人の趣味!!で建てた伊東忠太の作!)の展望所にあがる。

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大倉財閥創始者大倉喜八郎の別邸の一部であった祇園閣は、今年生誕150年を迎える建築家・伊東忠太の設計による昭和初期の名建築(国登録有形文化財)。別名、「銅閣寺」ともいわれている。祇園閣はお寺じゃないけれどね。

塔の先端には鳳凰ではなく、施主の幼名や老年時の名前にちなんで「鶴」のモチーフが置かれている。

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高さ36m、祇園祭の鉾(ほこ)をモチーフにした外観で、鬼(魔物)を装飾した照明など、独特の意匠が施されていた。一年中、山鉾がみられるようにという、施主の希望だとか。内部には、妖怪大好きな伊東忠太の趣味で、灯りの玉をかかえた鬼の意匠が。

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「大雲院」の入り口。そこはかとない「伊東忠太テイスト」が感じられる。

 

閣上からは360度周囲の眺望を楽しむことができ、展望所のガイドさんに、下の墓地に「織田信長 信忠の墓」「石川五右衛門の墓」があることを教えていただいて、墓参。ガイドさんは、生粋の京女で、たぶん舞妓さんよりも流暢な京都弁を話されていた。

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五右衛門だけに、五円玉がたくさんお供えされていた。

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古都らしい土塀のある路地を通る。

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お地蔵さまではなく、珍しい大日如来の石仏さん。

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ちょっと歩くと史跡がある土地柄。

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山門に下げられたかわいいおばけ提灯。

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裏から見たら、なんてことはない門なのにね。

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バスに乗る前に、「湖月茶屋」で、おいしい「ひやしあめ」で一服し、涼を得る。

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ラストはバスで東山ドライブウェイをのぼり、山の中の「京都大学 花山天文台」へ。