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紙魚子の小部屋 はてな版

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

国立で銭湯画 はじまりはじまり。

初めてギャラリービブリオに行った前回は、知り合いに連れて行ってもらったので難なく行けたけど、今回はしっかり地図を見て、と。簡単な地図だったので、迷子になることを警戒していたけど、「タリーズ」というポイントがしっかり示してあったので、拍子抜けするほど簡単に到着。なんといっても駅から徒歩2分の申し分ない立地なのだ。

 

ごく普通のおうちなので、「まさか」と思い素通りさえしなければ大丈夫。

 

店主さんにごあいさつ。あこがれの奥様とは初めまして。店主さんのブログで、彼女が「大阪ディープサウス」のご出身だとちらっと書かれていたのだけど、東京暮らしが長くても、大阪魂を忘れない(ように私には見受けられた)ところが素敵。すんなりとひとを受け入れちゃうところ、倉敷の「つづきの絵本屋」さんの都築さんに似てらっしゃる。きっとみんなから好かれる方なんだろうなあ。お二人にお会いできただけでも、出てくる値打ちがありましたよ。

 

会場のお部屋には、長机と座椅子が並んでいる。机の上には若干のペンキの容器と筆が各種。アクリル板と広告紙も。一昨年なら別に机と足付き椅子をだしていただくご足労をおかけしただろうけど、床に座れるほど、足が回復していてよかった。さすがにもう正座は無理だけど。

 

老若男女がそれぞれ、思い思いの場所に座る。壁には丸山先生の書かれた大作が2点と、個展をされたときのコピーがずらりと張り出されていた。教室が始まる13時までには、あと数分あるので、近場に貼ってあった作品を間近で眺める。「これを参考にしよう」と思った絵が、実は恐ろしく難しい作品だったことに、まだこのときには愚かにも気づいていなかった。富士山と雲と、海と波打ち際と三保の松原。怖いもの知らずとは、私のことだ。

 

参加者は年齢も性別もバラバラだけど、いかにも和やかなムード。主催の「温泉もりあげた〜い」のAさんの元気な導入、そこに続くビブリオ店主Tさんの語り、いよいよ丸山先生の初心者への説明が始まる。作業の手順の説明とともに、実際に先生が富士山を描いていかれるのだ。折り込み広告でパレットを作ったり、マスキングテープで富士山と水平線を分けたり。同じ青でも群青は富士山、紺色は空と海になること、茶色や緑の色の作り方、などなど。ちょっと不安な気持ちとともに作業に入る。たぶん追いつけてないぞ、私。

 

作業に入ってすぐ判明すること。

 

めちゃめちゃ難しいじゃないですか!!

 

色の作り方、筆の運び方、線の入れ方、色の塗り方。そして一番大変なのが、グラデーションを作ったり、色をぼかしていく作業! しかし、どうやらこの途方にくれた感は、私だけではなかったようで、部屋のあちこちから、ため息が聞こえましたよ。大体、油性ペンキで絵を描くって、初めてだもんね。勝手がわからずパニックですよ。大海原に乗り出したはいいが、途方にくれてしまった、太平洋ひとりぼっち状態(笑)

 

早々に丸山先生にヘルプしていただく。つまり一部描いていただく、ということ。悪戦苦闘のあとでは、先生の筆さばきが魔法のようだ。富士山の透明感のあるグラデーション、ありがとうございました、丸山先生!! 

 

少なくとも「太平洋ひとりぼっち」状態からは抜け出したものの、ペンキの中にはなく自力で作らねばならない緑や茶色の部分に悪戦苦闘。しかも塗り込んでいく順番を間違え、群青と紺を間違え、松の難しさに挫折し数本描く予定を1本に省略。ハードル競技なら、すべてのハードルを蹴り倒している状態だ。

 

そんな状態でも暢気な性格が幸いしてか、すっかり描くことにのめり込んでしまう。おやつの時間をはさんで、気持ちの切り替えもできた。いけ、いけ〜♪

どうやらほかの皆さんも、のめり込むノリノリゾーンに突入した模様で、楽しげな会話やリラックスした表情に。早くも完成を見た方も現れる。4時を過ぎるころには続々と完成されていかれた。

 

この日、私はレコードのターンテーブルデザインのTシャツを着ていたが、私の隣にいらっしゃった温和で清楚な美人さんは、カセットテープのTシャツ姿。(体型的にはえらい違いですが・笑) そんなアナログなふたりが、ならんでねばってせっせと描いていたのでした。カセットの彼女は納得できるまで丁寧に書き込んでらしたが、レコードの私は描き忘れの追加や修正にいそしんでいた。(作品的にも、えらい違いです)

  

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ついに5時には全員完成。終了時間は6時なので、1時間も早く終了だ。

四隅のマスキングテープを外すと、昔のふちの白い写真のようになって、絵がひきたつ。

 

完成後、集合写真を撮っていただく。「銭湯もりあげた〜い」さんのFBよりごらんいただけます↓

 

https://m.facebook.com/1010moriage/

 

 

 

 

国立で銭湯画 そもそも

イベントはふつう、土日にある。だから土日仕事人の私には、イベントは縁のないものとあきらめていた。イベント情報は、自分には関わりのねえことでござんす、というスタンスで読んでいたのだ。

 

それがなんと、月曜に開催される、というイベント情報を得た。図書館関係者はもとより、博物館、美容院関係者にも朗報である。しかも、それは去年から私が注目していた銭湯背景画、ペンキで富士山を描くというもの。ご指導くださるのは、なんと銭湯背景画の巨匠、丸山清人師である!

www.1101.com

なにも考えてなかった。というか、何の迷いもなかった。一人会議すらせずに参加決定。これは神様が「行けー!」とおっしゃっているとしか思えない。ほぼ無意識に参加を申し込む。東京といえど、東北に行くよりは、はるかに近いじゃないか。

 

銭湯画の説明をすっとばしてしまったが、銭湯の壁には、富士山の絵が定番である。銭湯の富士山の絵=銭湯背景画界の巨匠、丸山清人師が 直接指導してくださるのだ! しかも開催場所は、国立市の「ギャラリービブリオ」である。「ギャラリービブリオ」は長年のネット友達が店主だから、ほぼ1年以上ぶりにお会いできる。しかも今回でお会いするのはたった3回目だ。去年の東京旅では、ちょうど中野ブロードウェイで丸山師が個展をされているのを店主さんに教えてもらい、見に行った。これは去年の1月から始まっていたことなのだ。

  

それに自宅を銭湯化!?するチャンス到来だ。すでに10年以上前から、それらしき暖簾はかかっている。私が15年ほど前、娘の誕生日プレゼントに買ったものだ。彼女が欲しかったのは、むろん風呂屋の暖簾ではなく、「にゃんにゃんにゃんこ」(サンリオのライバル、サンエックスキャラクター)のおふろセットとしてだったのだが。

 

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しかし、いくらなんでもこれだけのために、新幹線で東京まで行くのはもったいない。

 

去年の東京行きでは、残念ながらお会いできなかった、町田に引っ越した10年ぶり以上になる読書会友達に会おう。ネットで出発10日前くらいに偶然見つけた川崎の「日本民家園」や20年近く憧れ続けているドイツ菓子の名店「リリエンベルグ」、鶴川にある旧・白須次郎・正子邸「武相荘」、最近FB友達に教えてもらった、町田の「市民文学館」で開催中の「本の雑誌厄除け展」にも行ってみるぞ! てんこ盛りのプランが完成した。

 

こうして、膨れ上がった2泊3日の旅が始まったのである。

 

さて、22日は朝から新幹線に飛び乗り東京へ。お天気がいいので、新幹線からナマの富士山が見られるはず、と思いきや、すっぽり雲の中だった。微かにてっぺんが垣間見える瞬間があるくらい。残念。

 

東京についたら中央線に乗車する。東京23区をすっ飛ばし、目的地の国立も通り過ぎて(特別快速だったので停車しない)、宿泊先の立川のホテルの場所確認のため下見をし、ついでに大きい荷物を預かってもらう。

 

一駅となりの国立に戻り、去年も行った「ロージナ茶房」にてお昼ご飯。季節感のある「えんどう豆とホタテ貝のパスタ」をチョイス。量もちょうどよくて(ウエイトレスさんによれば、このお店にしては盛りが少なめとおっしゃったので、レギュラーサイズのまま注文)、グリーンピースの香りも清々しくて、美味しかった。

さあ、腹ごしらえもできて、いざ出陣だ。

池の回りを一巡り。

三重塔から本堂をみたところ。あちらが彼岸だ。

 

池の東側には薬師如来坐像を安置する三重塔が配され、その対岸である西側には本尊の九体阿弥陀如来を安置する本堂が置かれている。

 

これは薬師如来がいらっしゃる浄瑠璃浄土(東方浄土)と、阿弥陀如来が住むとされる極楽浄土(西方浄土)の世界を表現している。参拝者はまず日が出る東方の三重塔前で薬師如来 に現世の救済を願い、次いでそこから日が沈む西方の本堂を仰ぎ見て、理想世界である西方浄土への救済を願った。

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ところでこの灯籠、ただの灯籠ではない。南北朝時代のもので重要文化財なのだ。

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こちらは三重塔前の石灯籠だが、同じものが本堂前にもある。そちらはもう少し風化が激しい、らしい。本堂前石灯籠の写真は撮らなかった、と思っていたのだが・・・

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三重塔前石灯籠の窓から見えていた(クリックして写真を拡大してみてください)

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この白い花はガマズミ? 楚々として清々しい。

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この池は宝池といわれている。

 

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梵字の阿字をかたどっているらしい。島に祀られているのは弁天様。

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見上げても、

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振り返っても、フォトジェニック。

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遠目の横から本堂を見ると質素だが、

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屋根にはこんなお方がいらっしゃったり、

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扉や障子がなにげに重厚だったり、

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装飾はシンプルだけど、品がよかったりする。

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ですよね?

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お庭だけでも、充分まったりできます!

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植えられたお花も雑草も、草花はすべて平等! といわんばかりに、野の花々も品よく残されているところがゆかしい。

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男の子がひとり、池のフチにしゃがみ込んでいたので、何をしているのかとよく見れば・・・

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鯉にエサをあげていました。んん?? いいのか? 餌やりしても?

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浄瑠璃寺・三重塔

境内は、樹木や草花で地面を覆われていた。青紅葉もそっと影を落としていた。f:id:simikonokobeya:20170512160219j:plain

ちいさな鐘楼の横には、オオデマリが満開。緑したたるとは、このことだ。

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これは、ええと、ツリガネニンジンかな。人気のない小径にひっそりと咲く可憐な花だ。蕗もなにげに生えてます。

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寺号は、三重塔の内陣に安置されている薬師如来の浄土「瑠璃光浄土」からきているそうだ。

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池のぐるりに建物がある。

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亀も浄土の池でのんびり甲羅干し。

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三重塔まで、石段をあがる。

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足元には、鮮やかな紫色のスミレが!

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三重塔は国宝。来る人来る人、ガンガン写真を撮る。

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赤い建物が、緑に映えていた。『浄瑠璃寺流記事』によると1178年(治承2年)、京都の一条大宮から移建したと言われている。初層内部に柱がないのが特徴。心柱は初層の天井から立てられている。

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こちらの水煙も、昭和のモダンなお宅の、スチールの透かし扉みたいなデザインだ。洋風でかわいい。

 

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日陰を好む花なので、ひっそりと、たくましく。

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赤VS緑。ここでは赤が優勢。

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しかし緑も負けてはいない。拮抗してまいりました!

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塔の正面のお供え。外に仏具があるのも珍しい。

 

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では、これから彼岸へ。毛筆っぽいのに、今風の丸みのある字体がかわいい。

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藤原時代って、いつよ?! と高校では世界史選択だった私は混乱。

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平安時代の後期、遣唐使が廃止(894年)されて以降、摂関藤原氏を中心とする、国風文化の進んだ時代らしい。唐風からの脱皮、浄土教の発展、神仏習合の思想が芽生えた頃、などなど。なるほど、末法思想に伴い浄土信仰が流行した時代だね。

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おお、緑のなかから覗いている塔も、なかなかいいぞ。

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浄瑠璃寺へ

有り難いことに次のコミュニティバスまで時間がたっぷりあったので、駅からほど近い京都山城加茂郵便局に立ち寄り、風景印をいただく。国宝・浄瑠璃寺本堂と、重要文化財・吉祥天立像の美しいデザイン。

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ついでにマンホール蓋も採取。町の花のアジサイ、町の木の松、特産品のお茶の葉と椎茸をデザイン。

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 駅を通り抜けて、反対側のバスターミナルへ行き、コミュニティバスに乗り込む。乗客は初老のオジサンとふたりきり。次の行き先は浄瑠璃寺だ。

 

が、もうすぐ2時になろうというのに、お昼を食べていないのでハラペコ。こういう事態を見越して、ナッツ入りのチョコを持参していた。バスでムシャムシャと欠食児童のようにむさぼった。

バスはあっという間に山の中に入り、S字カーブの道を走る。山の中をどんどん入って行く。なるほど、こんな場所は観光客しかこないよねえ。滋賀県でいうなら、ミホ・ミュージアムを目指してバスが走るようなもんだもの。それで400円は安いよね。これ、1日乗車券を買っておけば、さらにお安かったのに・・・残念だ。

 

しかーし。浄瑠璃寺に到着して下車したら、おもわずそそられる食堂があった。チョコを食べたにも関わらず、カフェテラスのようにオープンなつくりな上、お値段も店先に提示してありお手頃なので、ふらふらと入店してしまう。席に着くと風が抜けて、緑が見渡せて、時間帯が時間帯だけに人影もまばら。とても気持ちがいい。こぎれいな大衆食堂風な、私には願ってもないお店だった。

 

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ちょっと考えて「山菜うどん」を注文。だって、いままさに、シーズンよ、山菜の!

 

という私の読みは、見事に当たった。蕨もタケノコもビニールパックの水煮じゃなく、ちょっとまえにこのあたりで獲れました、という味。こんな美味しい山菜うどんを食べたのは初めてじゃわい♪ もちろん空腹は最高のスパイスともいうけれどね。

 

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浄瑠璃寺は観光地らしく、お土産物屋さんも並んでいる。行き交う人も、普通の京都の観光寺院なみに多い。生け垣の参道を歩いて行く。

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この奥にお蕎麦屋さんがあるらしい。鄙びた風情がなんとも。うう〜ん、もうおなかいっぱいだよ。

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ほうじ茶アイスから甘酒から赤紫蘇ジュースまで、各種取り揃えております。あっ、帰りに時間があったから、ここに立ち寄ればよかった! って、今頃思いついても・・・(汗)

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とにかく山城の風景は、片っ端から気持ちがいい。

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そうか、当尾地区は奈良の興福寺の別所だったのか。やっぱり奈良の文化圏内だったんだ。このあたりは石仏の宝庫で、「笑い仏」「眠り仏」などと呼ばれる石仏や磨崖仏などもあるらしい。

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門までたどり着きました。お地蔵さんが両脇を固めてらっしゃる。

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守りを固めていらっしゃるので、お地蔵様にしては、お顔は少々険しい。

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では、おじゃましま〜す。

 

 

史跡を歩く。

バスまでたっぷり時間があるときには、歩くことにする。というのが、子どもの頃からの私の方針だ。日曜ごとにバスを乗り着いて図書館通いをしていた私は、ときには1時間に1本のバスに乗り遅れたりすることもあった。選択肢は3つ。

 

その1。今もあるバスターミナル横の「初雪食堂」でうどんを食べて時間をつぶす。

その2。借りた本を読んで時間をやり過ごす。

その3。時間が許す限り、次のバス停まで歩く。これをすると、次のバス停に行き着く前に無常にもバスが通り過ぎて行くこともあるのだけれど。

でも、歩くと面白いものがいろいろ見られるということも、私は子ども時代に覚えたらしい。

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クローバーに混じるタンポポの綿毛や、

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タンポポの綿毛だらけの野原や、

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マドンナのように美しい椿や、

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観賞用に植えられたらしいアザミなど。

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ちいさいスペースに、たわわな藤の花や、

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牧場のように雄大な風景や、

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正真正銘の野アザミや、

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ただしく懐かしい田舎の風景を見ることが出来た。

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そんななかで、石碑が次次に現れる。

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これは国分寺跡。

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だが国分寺が施入される前は、恭仁京(くにきょう・くにのみやこ)という奈良時代の都の大極殿が合った場所でもあるのだ。

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聖武天皇の勅命により、平城京から遷都されたのが天平12年(740年)。次の紫香楽宮に遷都されたのが、天平14年(742年)。たった3年間の幻の都だった。

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紫香楽宮も3年後には難波宮への遷都となり、その難波宮はたった1年で、もとの平城京に戻ってしまう。

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ということで、山城国分寺跡と恭仁京大極殿跡は、ダブルの遺跡となっている。

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その先にある、広々とした場所の礎石たち。

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千年をとっくに越えて、この場所で過ごして来た石たちだ。

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というような歴史的な物件を、歩いて来たおかげで多々見ることが出来た訳だが、

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この日は天気が良すぎて、この辺で息切れかと思われた。

 

しかし、この先の道を訊ねた飲食店で、親切な方に車で駅まで送っていただけるという僥倖に巡り会う。

 

山路(やまみち)を下りながら、こう考えた。

本堂の入口には、ちいさな白髪の、とても上品な老婦人が座っておられた。こんな山奥に不似合いなほど、洗練されて上品な物腰と話し方だったので驚く。もちろんお寺の奥様だろう。「奥へ、どうぞ」と優しくうながしてくださる。

 

ご本尊の十一面観音さま。もちろん写真撮影禁止なので、絵葉書より。ホントは正面からしか見ていないので、印象は少々ちがうような気がするが、ごくごく間近で拝見できた。四隅(といってもごく近く)にいらっしゃった、大きな四天王に守られていらっしゃった。

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こちらは子ども体形の十一面観音様。今にも歩き出しそうな足がチャーミング。

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精緻で、美しく彩色された下の四天王像は、残念ながら今回拝見できなかったが、ガラスケース越しながら奈良博で2度じっくり拝見したので、よしとする。たぶん奈良博にいらっしゃるはず。

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来迎図、歌や踊りで「おむかえ」に来てくださる仏族ご一行様。最高ランクのフルでは25名のお迎えだけど、生きている時の所業によっては最低3名になるときも。

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いずれも本堂は暗くて、間近なのにやや見づらいかも。私は十一面観音様の足元におられた、翼のあるカラス天狗のような飯綱権現さま(だったと思う)に夢中。とても丁寧につくられていた。

仏間のとなりの部屋では、さまざまな展示があり、それらもゆっくりと拝見する。2巡するほど見たけど、時間が有り余ってしまったので、バスの時間にはまだまだだけど、外に出ることにした。

 

クマザサの中にシャガの花。

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ほど近くに山を臨める、雄大なロケーション。向こうには、来た時には通らなかった、ちいさな山門もある。

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行ってみよう。

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 鬼と獅子がふたりそろって睨みを利かす、珍しい屋根。

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見る角度を変えると、やや離れて見える。

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てっぺんには、鬼とシャチホコ。遠目では質素なのに、近くで見ると意外にゴージャス。

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この門から出てみよう。石段が急勾配だった。手すりは鎖で、いかにも修験道っぽい。

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扁額は板に赤い文字。しかも右からの昔風な書き方。

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ゆっくりと気をつけながら降りる。

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山の中なのでウグイスやヒバリなど、鳥の声がたくさん聴こえる。まるで草枕の冒頭のようだ。私は坂道を登るんじゃなくて、下っているんだけどね。しかも何も考えてない! 草枕の主人公のように、躓いて転けかけることもなかった。

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さすが奈良に近いだけあり、ポールの支えは鹿! きっと文化的には南山城(みなみやましろ)は奈良に属しているんだろう。

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石柱に石仏さまが。

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この枝道を辿ると昔の地位が高かったらしきお方の墓場に行きつく。寄り添うタンポポが可憐。

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やっと視界が開けた。結構高いところにいるんだ。

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中門なのか、赤い門があった。ムダに石段を登って降りなければならず、潜らなかったけど。

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坂道を下る間、行き交う人もなく、ほぼひとり。若い時には不安で歩けなかったかも?おばさんの特権だね。

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山際にシャガ。昔通り、この辺ではGWに咲いているんだ。(家のはもう少し早い)

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この恐るべきカーブを見よ!!

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ここで、珍しく下から徒歩で登って来たひとに遭遇。しっかりバテバテなご様子だった。 一縷の希望を瞳に宿しつつも気落ちする覚悟を用意しつつ、「まだ先は遠いですか?」と訊かれたので、「もうちょっとで着きますよ」とお答えする。

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このヘアピンカーブを降りると、茶畑に遭遇する。薫風という言葉を実感する。

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「素晴らしき哉、世界」な風景。しかしこの道をカーブすると・・・

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右手には、こんなものが!! こんな至近距離でこれに遭遇するのは初めてなので、空気を通してビリビリ来ないか、びびるびびる。「恐ろしきかな、人間」と、山の動物たちは思っていることだろう。

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あの柵は、タケノコ保護のため? タンポポとコラボするタケノコって、初めて見た。こんなに大きいと食べられないけどね。

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林立するタケノコたち。

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そういえば、今年は一度も食べなかったなあ。毎年どこかからやってくるので、「いただけるもの」と思っていたけど、ついに今年はスルーしちゃったなあ。買ってでも食べたらよかったかなあ・・・と坂道を下りながら、旬のタケノコをたべそこねたことを、くよくよと考える。

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人家も多くなって来たし、そろそろバス通りかな? それでもバスが来るまで40分ちかくあるけど、どうする!?

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