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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

歳時記/冬

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ときたま「歳時記」を読んでみたくなる。春夏秋冬、それぞれが1冊にまとめられた俳句の本だ。

ひととおり読んではいるけど、もちろん覚えているはずもない。季語別に並んだ俳句を、適当に開いたページを読んだり、季語から選んで読んだり。そのときどきで、心に引っかかる俳句があって楽しい。

 

本日は「春待つ」と「春近し/春隣」の項目を読んで、思わず「おお〜」とか「ふふっ」となったもの。

 

時ものを解決するや春を待つ 高浜虚子 

 

 さすがは虚子!クールだ、と虚子のことを何も知らないクセして根拠なく思った。

しかし虚子にはこんな句もある。

 

壇の浦を見にもゆかずに河豚をくふ 

 

 古の歴史に思いを馳せるより、温かいお部屋で河豚を食うに限る、ということか? お茶目じゃないか、虚子。

 

春待つは妻の帰宅を待つごとし 鈴木鷹夫

 

 鈴木さんは愛妻家なのだろうか? こういう妻になってみたいものです(ほんまか?)

 

叱られて目をつぶる猫春隣 久保田万太郎

 

 さすがは久保田万太郎!と、ほとんど久保田万太郎のことを知らないのに、思わず膝を打つ。ありありと猫の顔が目前に浮かんでくるじゃありませんか。

そこで久保田万太郎の他の句をネットで探してしまう。

 

仰山に猫ゐやはるわ春灯

 

ん? 久保田さん、猫好き? 京都人? と思ってウィキで検索したら、なんと浅草生まれのちゃきちゃきの江戸っ子じゃありませんか!! 祇園で遊んだときの、耳にした舞妓さんの言葉なのかしら?

 

時計屋の時計春の夜どれがほんと

 

ああ、わかるわ、わかるわ! でも時計屋の時計が全て正確な時間を指していたら、それはそれで味気ない。

 

 今日もうっすらと雪が積もった寒い日なので、春が恋しい俳句をピックアップしてみました。

 

 テキスト/「俳句歳時記 第4版 冬」 角川学芸出版 角川文庫