浄瑠璃寺・三重塔
境内は、樹木や草花で地面を覆われていた。青紅葉もそっと影を落としていた。
ちいさな鐘楼の横には、オオデマリが満開。緑したたるとは、このことだ。
これは、ええと、ツリガネニンジンかな。人気のない小径にひっそりと咲く可憐な花だ。蕗もなにげに生えてます。
寺号は、三重塔の内陣に安置されている薬師如来の浄土「瑠璃光浄土」からきているそうだ。
池のぐるりに建物がある。
亀も浄土の池でのんびり甲羅干し。
三重塔まで、石段をあがる。
足元には、鮮やかな紫色のスミレが!
三重塔は国宝。来る人来る人、ガンガン写真を撮る。
赤い建物が、緑に映えていた。『浄瑠璃寺流記事』によると1178年(治承2年)、京都の一条大宮から移建したと言われている。初層内部に柱がないのが特徴。心柱は初層の天井から立てられている。
こちらの水煙も、昭和のモダンなお宅の、スチールの透かし扉みたいなデザインだ。洋風でかわいい。
日陰を好む花なので、ひっそりと、たくましく。
赤VS緑。ここでは赤が優勢。
しかし緑も負けてはいない。拮抗してまいりました!
塔の正面のお供え。外に仏具があるのも珍しい。
では、これから彼岸へ。毛筆っぽいのに、今風の丸みのある字体がかわいい。
藤原時代って、いつよ?! と高校では世界史選択だった私は混乱。
平安時代の後期、遣唐使が廃止(894年)されて以降、摂関藤原氏を中心とする、国風文化の進んだ時代らしい。唐風からの脱皮、浄土教の発展、神仏習合の思想が芽生えた頃、などなど。なるほど、末法思想に伴い浄土信仰が流行した時代だね。
おお、緑のなかから覗いている塔も、なかなかいいぞ。