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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

3回忌終了。

今週はおばあちゃんの3回忌の準備に奔走。片付け、掃除、簡単なお昼ご飯の準備、お供え、引き出物、仏壇のあれこれ、そして座布団、などなど。それでも、メンバーは夫の兄弟家族だけなので、構えることもなく、ラクはラク。

 

当日人数に変動があったりしたけど、予備(不要とは思われたが、わが家分も作っておいた)を準備しておいたおかげでなんとかなった。お昼ゴハンは個別ではなく、ざっくりと大皿、大鉢より取り分け方式にしていたので、お持ち帰りの分配もできてムダにならず、よかったよかった。

 

たまにちゃんとした行事があると、しっかり掃除をするから、こういうイベントも必要。ただしその分、お兄ちゃんの部屋が物置と化して、えらいことに!! 彼は仕事が忙しくて来れなかったので、コレ幸いと物置部屋になってしまったのでした。

 

午後には終了したので、お昼過ぎの家事が終われば、しばし昼下がりのお昼寝。また、なんともぬくぬくして春めいた「お昼寝日和」だったもんなあ。うっとりとまどろむ、しばしの幸せ。

 

 

 

 

3月11日

今年の3月11日は、ちょっと違った。

やはり実際に東北に行ったので、東北が身近に感じられたのだ。現場にいって、自分の眼で見て、感じるというのをずっとしてみたかったので、去年、南三陸に行ったことで、心の距離が近くなった気がする。

 

現場に行くと、その後の感じ方が違う、というのはH氏に教えてもらったのかも。彼は阪神大震災が起こって、まだ余震が頻繁におこっている時期に、ボランティア志願をした。しかも当の本人は風邪でヘロヘロだったのに(おいおいMなのか!?と思うくらいの無茶な行動だった)。それでも、今でも「死ぬかと思ったけど、あのとき行っておいてよかった」と言っている。そうなのかも。

 

その後、まだ幼稚園児の息子・Tくんに「見せなくては!」と父子2人で神戸に行き、がれきの中を歩いたらしい。

 

奇しくもTくんは現在神戸に住んで働いており、仕事で「震災◯周年」のイベントを企画したりしているらしい。おまけに就職直前に東日本大震災が起こったので、仕事で被災地を何度も回っている。思わず「因果は巡る糸車〜」という、NHKの昔の人形劇『新・八犬伝』での坂本九ちゃんのナレーションが、空耳として聞こえてきそう。

 

NHKの人形劇といえば、『ひょっこりひょうたん島』が有名だけど、その後、同じ井上ひさし氏の脚本で長らく放映された連続人形劇『ネコジャラ市の11人』の方が、世代的に私には思い出深い。

 そのラストで、ネコジャラ市は大地震に見舞われ、地割れがし、がれきの町と化す。しかし、市内での犠牲者は身をもって市民を助けた市長のみで、その彼も「捨て子の赤ちゃん」として甦る。

あのラストを、いまも被災地の希望として、折りに触れて思い出す。去年、南三陸の海に落ちる美しい夕陽を見たときにも。

 

三陸の番組をいくつか見て、懐かしさと親近感と、また南三陸に行ってみたい気持ちになってしまった。まだ通過しただけの、福島にもね。

 

「漫勉」のゲストは伊藤潤二さん

朝から昨日録画した「漫勉」を再生して視聴。やはりNHKさんらしい配慮で、コマ絵はそんなに怖くはなかったような。

 

制作中の絵はかなり怖いんだけど、浦沢さんいはく

「ちらっと見えたら怖いけど、じーーっくり見続けていると(目が慣れて来るのか)怖くなくなりますよね」 という言葉どおり。彼も漫画を描くのに必要な資料として、人体解剖図とかを見る必要があって、そのときの実感だそうだ。

 そういえば映画の『エイリアン』とか『エクソシスト』にも、そんな素早い場面切り替えがあったような。「ちらっと」が怖いんだ。

 

浦沢さんの「怖い絵は、遅いペンスピードからしか生まれない」っていう発見も面白かった。笑いながら浦沢さんが「一体、 (いい大人が)何ヘンなことを考えているんだか・・・」と、何度もおっしゃってるのが、すごく可笑しかった。たしかに!! なんでこんなヘンテコなことを思いつくんや! ホラーとギャグを両方描いてる漫画家さんの本質って、「こども性」なのか〜!っていうのが、よくわかった。

 

しかし伊藤さんの一コマにかける情熱とホラー愛はすごい。1Pの大コマとはいえ、1コマに9時間以上かけてとか、中コマでも下描き2時間ペン入れ2時間とか。それもアシスタントさんがいなくて、ほぼひとりで制作なんて!! (パソコンで画像を取り入れてトーンを貼ったり、大きさの修正をしたり、ご近所の奥様の友達にトーン貼りやベタ塗りをお願いすることはあるらしいですが)


だからこその説得力ある絵なんだろうなあ。彼が「楳図/古賀を源流とするホラー漫画を継承していきたい」とおっしゃっているのもなんか素敵。見てよかったです。

下には未公開部分の対談も。私が聞きたかった部分なので、うれしかった↓

www.nhk.or.jp

 

 

今夜は、どっちだ!?

今夜、毎回楽しみにしている「浦沢直樹の漫勉」が(Eテレ/22:00〜)あるんだけど、今回取り上げられるのはホラー漫画の伊藤潤二さんなんだよねえ。

www.nhk.or.jp


あまり知識がないからネットで調べたら「閲覧注意」とか「トラウマ注意」とか書いてあるじゃないですか! う〜ん、リアルタイムで見るのは無理そう〜。夜だもん。

 

でも、ちらっとみた絵柄はめちゃくちゃ上手そうで、気になるんだけどな〜。はるか昔、『うずまき』が出た時にも、すごく気になってたっけ。ホラーのトラウマ(眼に焼き付いてしまうので)は懲り懲りという気持ちもあって、とりあえず録画するけど、見るかはどうかは悩む悩む。

 

こういう記事もありました。

spice.eplus.jp

うーん、みたくなってきたじゃないですか! でも見たら後悔しそう(汗)

 

見るべきか、見送るべきか。・・・それが問題だ。

3月のあれこれ

3月の「中村軒」の「京のおかし歳時記」は、ハガキのはなし。

www.nakamuraken.co.jp

中村軒のおばあちゃんに聴いた話を即実行するのが、マサコはんのえらいとこ。多羅葉(たらよう)がハガキの先祖だったことは、下鴨神社に行った時に教えてもらったので知ってはいたけど、一度私も多羅葉のハガキを出してみたいな♡

 

2月中にハローワークで紹介状をいただいて履歴書を書き、スーツを買って(当然直しを入れてもらい)、3月には美容院へ行く、というなかなかの準備をして、今の職場の再雇用に臨む。面接と作文があるので、そのための仕込みも少し。終わったあとは、脱力状態。

 

いや、脱力している場合ではない、週末の法事の準備をせねば!と思いながらも、来週、心置きなく1泊旅行できるチャンスが巡って来た。このチャンスを逃すのが惜しくて、青春18キップを使って西へ行くことにする。

30年来の憧れの地、広島の尾道へ。大林宣彦監督/原田知世ちゃん主演の「時をかける少女」を見て以来、行ってみたいところだったのだ。

 

そして、この週から、娘・Kちゃんが独り立ちして大阪へ行くので(入社は4月から)、「今までお母さんお疲れさまでした旅行」でもあったりして(笑) 独り立ちといっても大阪勤務になったので、距離的には近い。

彼女は、お笑いやバラエティのテレビ番組制作会社で、ADさんになる。休みはままならないだろうけど、希望どおりの職種なので、仕事そのものを楽しんで欲しい。多忙を極めるはずなので、そのうえもともと人の倍は働くひとなので、健康にだけは留意してね。

 

と、3月も怒濤の連続。今月は倒れないようにしないと!

御殿の外

バスの時間までの間、御殿の外を見る。リミットは20分だ。国宝の金堂に向かって石段を登って行く。いきなり左側に現れたゴージャスなものは、勅使門。これが表から見たところ。

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もういちど、おさらい。

大正2年(1913年)竣工。設計は京都府技師であった亀岡末吉。檜皮葺屋根の四脚唐門で前後を唐破風、左右の屋根を入母屋造としている。また、鳳凰の 尾羽根や牡丹唐草、宝相華唐草文様や幾何学紋様など、細部にまで見られる彫刻装飾は、伝統的和様に亀岡独自の意匠を取り入れたもので、斬新かつ見応えがある。(緑の字は仁和寺HPより)

 

たとえば西本願寺の唐門のように、極彩色でさまざまな動物たちが跋扈するゴージャスさもあるが、こちらの勅使門は彫刻のワザの冴え具合がただならない。ひたすら見とれる。設計した亀岡さんって、とても繊細でフェミニンな感性の持ち主なのかも。この洗練されたデザインは、「亀岡式」と呼ばれているらしい。

 

全体の写真を撮り忘れたけど、朱色の中門をくぐる。

中門は二王門と金堂の中間に位置し、五重塔や観音堂といった伽藍中心部に向かう入口ともいえる門。切妻造・本瓦葺・柱間三間の八脚門で、側面の妻部には二重虹梁蟇股が飾られている。また、向かって左側に西方天、右側に東方天を安置している。

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ということで、こちらの西方天=広目天龍神富単那(インドの悪霊/吸血鬼/ゾンビ?)を眷属とする。

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こちらの東方天=持国天乾闥婆(インドの音楽神)、毘舎遮(インドの人食い鬼)を眷属とする。

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 名勝「御室桜」の石碑がある。この殺風景で無骨な樹々が、春には美しく咲き乱れるのだ。目下、黙々と彼等の世話をしているひとたちを見かけた。

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この遅咲きの低木は、江戸時代から人々に愛でられていたのだ。

さらにずんずん進むと、見えて来ました右手に、五重塔! りりしく美しい。今回は時間が無いので、近くまで行かなかったのが、少し心残り。

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 とにかくも、金堂まで、急げ急げ!

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やっと到着。パッと見、なぜに国宝?という地味さだが、いやしかし、アングルを変えて詳細に見やると、全然地味なんかじゃない!

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屋根のつくりひとつとっても、丁寧できらびやか。いやでも、価値があるのはそんなところじゃない。実は「金堂」は内裏紫宸殿を移築したもので、安土桃山時代の宮廷建築を伝える現存最古の紫宸殿だから、国宝となったのだ。

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堂内には、仁和寺ご本尊の阿弥陀三尊像や四天王像があるらしい。

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しかも壁面には浄土図や観音図などが極彩色で描かれているらしいが、見ることはできない。中には入れないのです(悲)

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うーん、たしかに、優美で上品だわ。

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随所に黄金の菊紋。

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横から見た方が、より装飾的。

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瓦の凝り具合も相当。

さて、駆け足で経蔵へ。重要文化財

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寛永〜正保年間の建立。宝形造、本瓦葺。正面に両開きの板唐戸、左右に花頭窓を付け、禅宗様で統一。内部は釈迦如来文殊菩薩普賢菩薩など六躯を安置し、壁面には八大菩薩や十六羅漢が描かれているそう。

経蔵らしく、火焔宝珠がてっぺんに鎮座し、法輪の鬼瓦がつけられている。
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内部中央には八面体の回転式書架(輪蔵)を設け、各面に96箱、総計768の経箱が備えられており、その中には天海版の『一切経』が収められている。回転 式書架ということは、これをひと回ししたら、お経すべて一回よんだほどの功徳が積める、というやつだね。これ、清涼寺で回した覚えが有る。

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前にお坊さんの説明付きで歩く熟年カップルが。うらやまし〜と思いつつ、大急ぎでもと来た道を戻る。バスに間に合い、京都駅で行列につき抽選をしたあと、3時過ぎの電車に飛び乗り、家路をたどった。

えっ? 京都駅ビルの抽選結果? 「からくじ無し」だから、コーラ味のあめ玉1個でした(それはもしかしてハズレでは・汗)

黒書院

黒書院は、1909年(明治42年)、京都・花園にあった旧安井門跡の寝殿を移築したもの。

黒書院の水墨画の襖絵は、1937年(昭和12年)の堂本印象先生筆! わーい、堂本印象先生って、ダイナミックでかっこよくて好き。アバンギャルドなのもいいけど、こういう普通の水墨画も素敵。下は秋草の間。プラス上段の間。

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このお部屋は大人しいけれど、次の松の間は、堂本印象先生のダイナミックさが漲ってます。

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ほらね、

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この松の大胆さったら。

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あっ、他のひとのブログを見てたら、「竹の間」っていうのもあって、めちゃめちゃ可愛いリスさんも描かれているのを知る。

kazenonakanotabi.hatenablog.jp

えーん、「竹の間」の写真撮ってなかった(泣) 堂本印象先生の傑作ですな、「竹の間」、可愛すぎます!

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杉戸の絵より、「竹の間」撮らなきゃ、自分!

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でも黒書院の縁側からのお庭は、可憐なピンクの梅がきれいでしたよ。

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スイーツのように甘くまるまるした花です。

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縁側でひなたぼっこするには、最高の場所でした。

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宸殿の屋根の丸瓦にも桜。懸魚もお洒落。

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桜の丸瓦が見え隠れ。

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宸殿を名残惜しく振り返りつつ、御殿を出ます。

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