宸殿へ
宸殿へ向かう途中、すてきに刈り込まれた松が、気持ち良さそうに陽の光を浴びていた。その後ろに見える宸殿に昇る階段の手すりのカーブが、なんともフェミニン。
順路に従い回廊を回り込むと、こんな杉戸に行き当たる。
ここからは入れない。横手の回廊へお回りください。扉はあいています↓
釘隠しも、菱形でおしゃれ。
先程の南庭を、宸殿の縁側からみたところ。ひろびろ〜。それにしてもお手入れが大変そう。
宸殿は、御所の紫宸殿と同様に檜皮葺、入母屋造。大正三年に竣工された。
わずかに開けられた障子のスキマから宸殿の中を覗き込むと、畳敷きの向こうは山水のお庭が。
正面の回廊を回り込むと、こんなゴージャスな杉戸があった。
「御室桜(おむろざくら)の下にて蘭陵王を舞う」の図。
池があり築山がある池泉式庭園は、北庭と呼ばれている。その向こうには五重塔も!
五重塔をズームしてみました。端正。
では回廊の角を曲がって、北庭に面する縁側へ。
角の真向かいに五重塔! 計算済みです、という設計者の面目躍如。
内部は三室からなり、襖絵や壁などの絵は全て原在泉(1849〜1916)の手によるもので、四季の風物をはじめ、牡丹・雁などが見事に描かれている。
なるほど、障子の下部は牡丹、上部には雁。
冬の交野の「鷹野行幸図」。純和風の部屋に、上部の欄間の透かし彫りがエキゾチック。
隣のお部屋に移動。裏側の襖絵は船が出ているから、夏の交野なのかも。
こちらはさっきより重厚な欄間だなあ。と最後の部屋へ行くと。
うおおおお〜! ゴージャスなはず! 最高級の格式のお部屋ではありませんか!
天井は角がカーブする格天井だし、正面の襖絵は孔雀、しかも金の細工物や螺鈿もふんだんに。左側の襖には、仁和寺を象徴する桜も。
漆の仏具に、やはり黒漆の床框(とこがまち)には、精緻な螺鈿が、螺鈿細工がー!! 掛け軸のひとは、仁和寺第1世である宇多(寛平)法皇。
見てみて! 細かいところまで行き届いたゴージャスさ! もしかして黒漆の床框の下にあるのは、大理石!?
という興奮状態を冷ますために、ゆっくりと北庭を見ることに。