南庭に面した白書院
平安貴族の寝殿造りは回廊が続いて楽しい。回廊は不思議と心を和ませてくれる。やはり、自然を友とした平安貴族の好みが反映されているからかも。
規模は多少小さいながら、大覚寺ににてるなあ。そういえばあそこも門跡寺院だった。雅びで、風や陽光ののどかさを感じられるところが、よく似ているのだ。
降り注ぐ陽光を受け止める、苔むしたお庭。こういうのが好き。
松の手入れの行き届いていることといったら! こういう松の近くにいくと、思わず剪定具合にみとれてしまう私。松はやはり、風が気分よくとおりぬける感じが素敵だよね。
こういう枝を広げた広葉樹もいいなあ。白砂に落ちる影がきれいなのだ。
あちらに見えるのは、儀式や式典に使われる公式行事用の建物、「宸殿」だ。
開放的な回廊を進む。開放的なだけに、冬場は寒いだろうなあ。
中庭がちょっとずつディープなかんじに。飛び石や灯籠も。
白書院前の縁側に入る。書院の中には入れないが、写真は自由にとれるそうだ。
明治に御殿が焼失したとき、ここはまず仮宸殿として建てられ、その後「白書院」と呼ばれるようになった。襖絵は昭和12年に、福永晴帆画伯によって描かれたもの。
そうか、古そうなのに、昭和の作品なんや!狩野派みたいに、大胆かつ精緻。雅びにして華麗。
白鷺の様子もいい。
襖の引手も、なにげに立体感があり、くすんだ金色も好もしい。
この中には入れないけど、くつろげそう。
豪華絢爛な襖絵は、意外に落ち着かなかったりしそうだけど、ここは実用に耐える感じがする(なにさま!?)
宸殿前には、中国の故事にならい「右近の橘」、「左近の桜」がある。ここでは中国直輸入の古式な「左近の梅」ではなく、日本人好みの桜なんだね。
あちらに見えるのは、勅使門。国の元首の使いである勅使だけしか通れない、ということになっている。なので、ほぼ閉門。後ほど、表からのきらびやかな勅使門をお見せしますね。