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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

ナポレオンの思い出

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 ハードな日程の家族各々に付き合うと、必然的に睡眠時間が減ってくるので、これにどう対処するかが目下の課題。もっとも私の辞書には「不可能」だらけなので、さすがにナポレオン並みの3時間はムリ。でも4時間には近づきつつある。もっともナポレオンはしっかりお昼寝をしたそうなので、かなりズルいと思う。

 ナポレオンには興味がないのだけれど、ナポレオンの周辺には過去に興味をもったことがあり、「周辺」はうろついたことがあるのでそのことを。

 高校生の頃、漫画家倉田江美先生の作品、『ぼさつ日記』や『一万十秒物語 倉多江美傑作集』を友達に借りて、その独特なセンスにひっかかったのだ。白い空間と簡略な線、静寂に限りなく近いギャグに、少女漫画枠を超えた衝撃を与えられた。

 結婚して間もない頃、ふと倉田江美先生の漫画が読みたくなり、京都に行ったおりに見つけた『静粛に、天才只今勉強中!』(現在絶版)の2巻を買った。1巻はそのとき本屋さんにはなかったのだ。取り寄せてもらおうにも、なんせ京都だし。

 それを見たH氏が、「あんた、そういうのはまとめて買わんとあかん!」

と断言した。さすが子どもの頃からお年玉で「大人買い」をした人間だから、太っ腹だ。

 彼は子どもの頃、「当てもん」(くじ引き)のくじをすべて買い占めたことがあるのだ(そこで「絶対当たってるってわかってるクジはつまらへん」・・・という教訓を得たのだが、オトナになってもあまり成長していないように見える)。栴檀は双葉より芳ばし、とはこのことであろう。

 という訳で、「でも面白いかどうか1冊読んでみてから・・・」という私の弱々しいケチな言い訳は却下され、近くの書店で全11巻(2巻以外)購入。購入したものの、しばらくは封も切られずにいた。

 ずいぶんたって(たぶん赤ちゃん育児の頃)、一気に読みふけった。フランス革命からナポレオンのロシア遠征までの期間、揺れ動く政局を綱渡りのように渡り歩き、粛正に次ぐ粛正の嵐の時代をぬらりくらりと生き抜いたジョセフ・コティの物語。

 

 コティのモデルは浮き沈みの激しい時代のフランスを生き抜いたたタレーランと並ぶ大物政治家ジョセフ・フーシェ。漫画を読むずっと前に、ラッキーにも偶然ツヴァイクの『ジョセフ・フーシェ』を読了していたので、当然話が早く、しかも良く分かる。こういうクールで権謀術策に長けた男って、どうしてこうもカッコイイんだろうと女性ならグッとくるはず。しかも倉田江美さんのテイスト自体が、ドライかつクール。

 世界史を取ってる受験生にも(フランス革命からナポレオンの失脚までの時代が判りやすいので)おススメなんだけど、残念ながら絶版なので、入手は難しいかもしれない。

 ああ、ナポレオンとはあんまり関係なかったな。でもナポレオンというと、もうひとつ少女漫画つながりで思い出すことがある。

 青池保子先生の『エロイカより愛をこめて』(20代前半にハマってました!)というスパイコメディマンガに登場し、少女達の絶大な人気を集めたNATOのスパイ『鉄のクラウス』こと、ドイツ人のエーベルバッハ少佐について、作者の青池先生が「『戦争と平和』という映画に登場するナポレオンが、少佐にそっくりです」と、どこかに書いておられたので、いつか機会があれば『戦争と平和』を見なくては!と心に決めていた。まだ「ツタヤ」が無かった頃である。

 で、ある日新聞のテレビ欄で、深夜より早朝にかけて『戦争と平和』が一挙放映されることを知った。このチャンスを逃してはならじ! 

 でも深夜から始まったので、始まって間もなく例のごとく睡魔に負けてしまった。あっと思って気がつくと、たぶん明け方の4時頃。失敗した〜と落胆するも、画面ではまだ映画は続いており、軍隊が押し寄せる場面。ロングで撮った軍隊の場面に被るように、ナポレオンのうっすらしたアップが!!

 たしかに〜!! これは確かに、実写版『少佐』!!

 もうこの場面だけで、『戦争と平和』は「観た」こととし、満足して眠りの世界に埋没した若き日の私でした。ああ、やっぱりほとんどナポレオン、関係ないよね。ごめん。