清張ワールドは因果応報
で、PCが反抗を企てた11月11日は、Kちゃんがたまたま塾が休みの日と間違えたので夜もウチにいたという、とてもラッキーでのんびり出来た日だった。
なぜラッキーだったかというと、いつもなら絶対見られない夜10時台にあるNHK教育の『知る学 こだわり人物伝』が見られたからである。
しかもこの日の語り手は、みうらじゅん!! テキストはとっくに購入し、読了済みだ。今月の「こだわり」の人物は松本清張。まさか、あのみうらじゅんが、松本清張を15年も激しく読み込んでいるなどとは、予想だにしなかった。
しかも他の「語り手」は阿刀田高、小森陽一、辻井喬なので、顔写真入りのプロフィールの列をみていただければ、即座におわかりいただけると思うけど、「なぜ、ここに、みうらじゅんが?」と思いっきり違和感を感じていただけると思う。もしかしてこれ、めっちゃ真面目な番組ではないのか?と。しかもみうらじゅんの語り手の回のタイトルは『因果応報の世界』!!
で、ラッキーにも番組を見ることが出来た私は、みうらじゅんの新しい境地や、NHKによる新しい「みうらじゅんの使い方」に、度肝を抜かれてしまったのでした!
どこまでが本気なのか、どこからがギャグなのか? どこに真実があり、どこに落とし穴があるのか? どれが妄想で、どれが実体験に基づく深い(不快?)思索なのか?
どこまでも苦悩に満ちた顔で、深刻にしゃべりつづけるみうらじゅんと、仏像(しかも「諸行無常な鐘の音」まで入る!!)の交互のアップに、そして「松本清張に流れる仏教的なもの」という結論にナットクしつつ笑っちゃうという、恐るべき仕掛けなのだ。
でもきっと、真面目一本に番組を見た人もいるかもしれない。松本清張の小説に流れる仏教思想! ふむふむ、なるほど!と。
でもそんな方は悩むだろう。
「あの、仏像をバックにしたみうらじゅん先生の俳句のような警句?は、なんで可笑しいような気がするのか??」
「清張読んで 我が振り直せたら・・・」
「清張ボタン 押せば地獄が待っている」
「清張さん 自分なくして 神の目線」
以上、byみうらじゅん。
やっぱりここは、笑わないと〜!
「『(松本清張を読むと)白い四角い地獄行きのボタン(清張ボタン)がみえるんです。それを押してしまった自分が、はっきりと〈地獄行きの列車〉のブザーの鳴る音を聞いたんです』というのは、ちょっと危ない人じゃないでしょうか?」
ちょっとどころでなく、真面目な人にとっては充分アブナい人かも(笑)
「男にとっては、女性の『産むわよ』というアクマの一言が」って、リアリティーありすぎ! どんなプライベートな修羅場もネタにする、いつだって体験的な裏打ちが充満しているみうらじゅんの言葉は、凄すぎる。
11月18日(水曜)午前5時35分から6時(NHK教育)で再放送がありますので、見逃した方は早起きして、ぜひ! ただしこの日の仕事は、肩のチカラが抜けきったものになるかもしれません。