読書メモ
1月上旬の読書・・・といってもほぼマンガばかりで恐縮ですが。
1日から森薫『エマ』第7巻(ひとまず完結編。ついさっき知ったのですが番外編が8〜10巻あるそうです)に引き込まれる。
ものすごく無口なメイドさんだけど知的で上品で働き者でひたむきなエマを、ぐいぐい画力で動かしていくのがすごい。最初の頃は、ほんと台詞がなかったですからねー。それにしても、素人っぽかった1巻と比べると、別人のように7巻では画力がついていて、かなりの読み応えが。
身分違いの恋を描く『エマ』を読んでいると、通奏低音のように10代のころ繰り返し読んだ『ジェーン・エア』を思い出してしまった。
『エマ』は幸運にも周囲の協力を得られたこともあり、自分の愛と努力で恋人と結ばれるのであるが、『ジェーン・エア』では、貴族の男性が(ある意味、身から出た錆ではあるが)、多くのものを失った後やっと、逆に財産を得た家庭教師のジェーンと対等になり、結婚出来たので、その対比がまた面白かった。
でも7巻のエマでは、ジェーンのような芯の強さと自立心を垣間みれて、懐かしかったな。
ということで、『エマ』、なかなかです。19世紀のイギリスを堪能できます。
先週は『ハチクロ』でおなじみ羽海野チカ先生の『3月のライオン』を3巻まで読む。『ハチクロ』では、羽海野先生にとっては、まだまだ描き足りなかったと思われる天才の孤独と苦悩を、笑いと癒しのシュガーにまぶしつつ描かれております。だからややビター。2巻のラストでなぜタイトルが『ライオン』なのか判明し、かなりの衝撃をうける。
先生にとっては将棋のフィーリングやプロ棋士のキャラは大好きだけど、将棋自体にはあんまり興味なし(だろうと思われるので、棋譜や将棋のあれこれについてはプロの監修付き)というマンガなので、「これを読めば将棋通になれる」という訳にはいきません。でも棋士は好きになるかもです(笑)
特にクールで人付き合いの苦手な主人公に、暑苦しくまとわりつく二階堂くんがサイコーです! モデルはあの早逝した村山聖棋士らしいが、ちびまるこちゃんのクラスメイト、花輪くんのような桁外れのお坊ちゃんで、しょっちゅう「じい」付きなのが楽しい。
それから先週たまたま本屋で立ち読みした『俳句歳時記』の、あまりの面白さに衝動買い。ええ〜!? 俳句って、こんなにも面白いものなの!?と、いきなり開眼。
たとえば、鼬(いたち)のページ。
罠かけてより鼬来ず昼の月 堀口星眠
鼬出て腓返り(こむらがえり)の夜となりぬ 橋本栄治
そして竃猫(かまどねこ)のページ。
何もかも知ってをるなり竃猫 富安風生
きっちりと脚ををさめて竃猫 櫂 未知子
俳句歳時記を読むと、なんだか「こころのふるさと」を発見した気分になるんですよね。