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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

残暑の決闘

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 1週間ほど前の話である。台風まっさかりの残暑。残暑といえば西友だ。

 売り場の列の端に貼られた西友の販促ポスターは、レトロな色彩で怪しいアロハのオトコが幻想の大声で囁きかけるー「エブリデー 安いザンショ!」と。

 そのオトコ、トニー谷

 そのポスターは、マラカスのように両手に一本ずつ棒つきアイスをもったトニー谷だった。ポスターの前には幼稚園くらいの男子が、黙して立っていた。ポスターを穴のあくほど見つめている。漂う緊張感。真昼の決闘だ。

 ほどなく少し離れた場所にいる母親にきこえるように、大声でいった。

「いっぺんにふたつもアイスたべたら、ポンポン痛(いた)なるよ〜!」

 幼いながらも品行方正でスクエアな男子は、トニーを糾弾したのち、母の元へ駆けて行った。西友は知らないうちに、一方的な敗北を喫していたのだった。