納骨と、四条へから三条へ。
本日はおばあちゃんの命日にあたる。そしてこの日に合わせて納骨のため、京都の東大谷こと大谷祖廟へ。小さいけど陶器の容れ物はやはり持ち重りがして、登りの坂道に息切れする。
へろへろしながら到着し、手続き。儀式はもう1家族と一緒で、ほぼ30分ほどで納骨終了。今日の花文字は、珍しくひらがなだった。
なんだかほっとしたような、肩のあたりがすうすうするような気分で、大谷祖廟の門をくぐり、下山。
こうしてすこしずつ、おばあちゃんとさよならしていくのだろう。
帰るには早いし、せっかくのふたり揃っての京都なので、四条から三条を歩く。
カメラ好きの夫に、ライカ・ギャラリーを見せてあげようと祇園の花見小路に入る。
ついでに2Fギャラリーのドアノーの写真や、奥の応接セットなどを見る。
このお部屋は竹の柵があって、やんわりと「立ち入り禁止」状態。
ライカショップを出て、花見小路を歩きながら
「ライカ、どうやった?」と聞いてみた。
「値段を見たら楽しくなかった」。
あー。
四条通りに戻り、今日は大安ですよ〜のかけ声に誘われ、「おばばの命日やし、宝くじ買おか!? おばば、当ててな!」と勢いで宝くじ売り場に並ぶ。
せっかく四条を歩くんならと、お饅頭屋さんの「福栄堂」で桜餅を買う。お供えしてから翌日食べたら、落涙するほど美味しかった。塩漬けした桜の花付き。
桜餅を買った勢いで、『祇園のぷるこちゃん』という抹茶あんみつゼリーも購入。前回栄福堂さんに寄ったとき、気になっていた物件。これは当日の夜、デザートにしたけど、これだけで一食分にできるほどのボリュームと美味しさ。でも甘甘ではなく、甘さは意外にほんのりひかえめ。黒糖味がきりりとしていたし、抹茶味はうっとりするような苦みが。そしてコラーゲンたっぷりなうえ、エバミルク付き。オーロラのように変化する味に驚く。
永福堂さんは、もはや私にとって素通りできないお店になってしまった。
木屋町の通りで、以前あった名曲喫茶「みゅーず」を懐かしむ。跡地には焼肉店・・・。あの静謐な空気の中で、クラシックが流れ、ルオーの絵が掛かる壁。気の窓の外には高瀬川の流れ。それが今では焼肉店(悲)
そんな悲しい現実を慰めてくれるのが、河原町通に出る路地に折れたら出現する、見事なタイルを見せてくれる喫茶店「築地」だ。
かつてのこの界隈の喫茶店の記憶を死守してくれる、最後の砦。同じ喫茶店でも「フランソア」や「ソワレ」は敷居が高すぎるので1度しか行ってないから、これは別枠。やはり「築地」には、これからもがんばってもらわなくては。
がんばってほしいくせに、この日行ったのは三条の「六曜社」さん。ごめんね、「築地」さん。
四条から三条の途中にあるファッションビル、BALビルに入り、地下の丸善に初めて潜入する。落ち着いたフロアと、センスのいい背表紙の圧倒的なシャワーに、ちょっと興奮する(笑) でも文房具は、昔の「舶来品」的高級感の方が素敵だったなあ。
で、歩き疲れた足を休めるため、地下の方の「六曜社」さんへ。私は珈琲とドーナツで、リフレッシュ。ここの水は、東京の「さぼうる」の水と似ていて、美味しかった。こちらの珈琲はやっぱり美味しい。それもこれみよがしではなく、肩のチカラの抜けた感じに美味しい。壁を彩る清水焼の特注手づくりらしい、緑のタイルも美しい。
三条大橋手前あたりで、「撮影中」のプラカードを持っているテレビクルーの女子がいたのに気づいたH氏が「うしろに中川翔子ちゃんがいるで」と、教えてくれる。振り向くとちょっと伏し目がちの内気そうな!中川翔子ちゃんがいた。
ということで、この日は1万3千歩、歩く。