旅のプラン
昨年の秋に行きたかった東北だったが、結局屯座してしまった。当時は働いていなかったし、経済的にも厳しかったという事情もある。
「とうほくへ行きたしと思へども とうほくはあまりに遠し」*
と、萩原朔太郎のように呟いて、翌年こそは!と思ったものである。新しきスーツは買わなかったものの、代わりに新しきTシャツくらいは買ったかもしれない。また東は名古屋、西は広島までの複数遠距離日帰り旅を遂行したことは、昨年のブログのとおりである。
今年はわずかな日数ながら働き始めたが、Kちゃんのシュウカツ(交通費)補助のため経済的にはやはりキビシイ。しかし自分の中の自由時間のタイムリミットが迫っているので、なんとしても今年中に動かなければ!と、強引に実行することにした。
幸い、たいした額ではないがJTBのナイストリップ(商品券)もあるので補助できるだろう。と、JTBの窓口を訪れたが。
なんと「2名様から」という場所がほとんどだったので、乳頭温泉は諦め、南三陸のホテルは個人的に予約するハメになった。つまり、商品券はビジネスホテル、または交通費でしか使えなかったのだ。
東北でなにが見たいって、それは秋田の「なまはげ」です!(断言) 今回は「東北でみたいものベスト3」のうち、なまはげと中尊寺という有名どころだけで我慢しておこう。
福島のさざえ堂もぜひ行ってみたかったのだが、アクセスが広範囲になりすぎて、4日間ではムリ、とJTBのひとにいわれてしまった。家に帰ってこっそり自分でもプランを立ててみたが、そうするとあまりに駆け足プランになってしまうので、泣く泣くあきらめた。まあ、次回東京に行くついでに立ち寄ればいいし、と自分を納得させる。
それでなくても、「なまはげ」関連の場所には、足の関係で1時間しか滞在できず、悲しい思いをしているのだ。しかもその日の宿は、秋田ではなく岩手の盛岡だ。
それも4日間といえど、初日はフェリーでまる一日を過ごすので、実質東北にいるのは2日あまりというショートステイだ。
やはり関西から東北は、フランスなみに遠い。
*萩原朔太郎/旅上(純情小曲集)を参照のこと。
ふらんすへ行きたしと思へども
ふらんすはあまりに遠し
せめては新しき背廣をきて
きままなる旅にいでてみん。