粉河へ!
3月27日
ネットを流していて、ふと目に留まった月一の仏像巡礼コースの案内人は、なんと小嶋一郎先生! もちろんコースはそれぞれ素晴らしいんだけど、現地解散時間が遅すぎて参加はム リ(悲)
それならと、せめて粉河寺への単独自力で和歌山までの日帰りコースを計画してみた。おりしも粉河寺では、ご本尊である千手観音様の、9年ぶりの御開帳も開催中ではないですか!! 調べてみた ら、早出遅着(8時〜18時 半)なおかつ和歌山3時間弱滞在なら、日帰りで行けることが判明した。ようし、ダッシュ参拝決行だ。もちろん青春18キップを利用。
4月は用事があれこれあったけど、それらを済ませてから10日の月曜ギリギリというのも心配なので、その前の週の4日を「こじ開けて」行くことにする。
直線距離ならそう遠くもなさそうだけど、電車で行くなら一旦大阪まで出て、そこから和歌山を経由して奈良寄りの粉河へ入るのが、一番時短になるのだ。
4月4日
大阪駅から紀州路快速に乗り換えて、まずは和歌山へ。和歌山は初めて足を踏み入れる地なので、ワクワク。大阪環状線を通り、和歌山県に入ると山や渓谷の中に駅がある。
「山中渓」。まさに山の中の渓谷だ。
山間の村、という感じか。なんとなく中上健次を思い出す。そういえば、辻原登さんも和歌山出身だったっけ。
紀伊まで来ました。
和歌山駅で乗り換え。反対側にあるのは、和歌山電鐵の「うめぼし電車」。JR九州の「ななつ星」に対抗?しての「うめ星」とか(笑) ということで、「ななつ星」をデザインした水戸岡さんにデザインを依頼したのだとか。
朝日新聞の記事によれば、
「内装は和風で高級感があるが、普通運賃だけで乗れる。広報担当者は『ななつ星の料金が高くて乗れない方は、ぜひこちらへ乗りに来て下さい』
ということだ。ああ、もっと中をしっかりのぞいておけばよかった!
私は反対側のホームのロングシートのJR普通電車に乗車。
それにしても車内アナウンスで、しばしば「目的地までのキップを購入してください」と流れるので、わざわざアナウンスせんとあかんほど、不正乗車多いの!?と驚く。駅構内のポスターも、不正乗車に関するものがあった。
のんびり30分ほど乗車し、粉河駅に到着。改札をくぐって、さらに驚く。
小さい! 殺風景! 窓口にシャッターが降りてる!
普通、改札の上には、次ののぼりやくだり電車の発車時刻が案内されているんだけど、それすらない。乗り場のボーム番号が書かれているのみ。第3セクターの無人駅のようだ。
駅前の道をまっすぐ行けば粉河寺に到着するのだが、いきなり寄り道してしまった。
Po-zkk( ポズック)という雑貨店を発見。ポップな色使いの雑貨が並んでいる。タイル張りがステキ。店内にある不思議な雑貨の数々が、私を呼び込む。
共同作業所を併設したお店なんだ! なるほど、だから手づくり感あふれた造りなんだ。店内のフローリング?の床も、昔の木造校舎を不器用にした感じで楽しい。玄関の土落としにもなるタイルも、いかにも「自分たちでしました!」感満載だ。
スタッフの方は、若く明るく元気な健常者のオネエさんで、にこやかに商品説明などもしてくださった。
ここで、缶の再利用でつくったみたいな、ミャンマーの液体掬いを購入。これでH氏に梅酒を掬ってもらおう。
「ポズック楽団といって、ちんどんやもしてるんですよ♫」。楽しそう〜。
駅から粉河寺までの大通りは、「とんまか通り」というらしい。商店のショウウインドウなどで、雛人形をかざっているので、いまは期間限定で「雛通り」。
等間隔に、このようなモニュメントがあり、国宝「粉河寺縁起絵巻」の場面を説明してある。
「粉河寺縁起絵巻」は、前半(二段)は、猟師の発願によって千手観音堂が建立された由来、後半(三段)は観音の化身が河内の長者の娘の病を癒し、それに感謝して一族皆出家して、粉河の別当となったという霊験物語を描く。
現在は、京都国立博物館に寄託されている。
祭りの案内をはさみつつ。
呉服屋さんの暖簾が、風にふくらんでいた。
道半ばに、お昼ご飯を予定していたお寿司屋さんがある。「まる乕本店」の店内は、昭和のまま時が止まったような場所。他にお客は60代の2人連れ女性客のみ。とても静か。
鮎寿司にするか海鮮チラシにするか、さんざん悩むも、鮎のあまりの高額さに涙をのんで海鮮チラシに決断をくだした。お吸い物付きで1080円。
今食べ終わったばっかりだけど、あああ、タコ料理も美味しそう! 粉河はタコも名物なんだ。飾りに張られた竹にも模様が入っているところが凝っている。