京都の休日
4月1日は金曜日だった。金曜日はおばあちゃんのデイサービスの日だから、この日がこれから私の休日となるわけだ。
で、退職して毎日が日曜日?状態の初日は、いきなり休日。ということに、あろうことか当日気づいて、それなら京都に行こうと思い立つ。中盤戦に入ったクレーの展覧会を見に行かなきゃ。毎日が日曜日だと、うっかり油断して、いつのまにか会期が終了していたりするのだ。
久しぶりに東山界隈をのんびり歩く。蹴上で電車を降り、南禅時に向かう桁外れなお屋敷群の道を通り、琵琶湖疎水の向こうにある動物園をながめつつ歩く。
長い石垣や土壁や竹(先が尖らせてあり泥棒よけになっている)の高い塀が続き、外からは伺い知れないハイソな一角。ドキドキ。
疎水の噴水と、その向こうには動物園。
咲き始めた桜やうつくしい柳ののどかな様は、予断を許さない事態や脱力するようなニュースとはあまりに乖離していて呆然とする。
南禅寺前のしだれ桜と動物園の一角にある柳。
パウル・クレーの色彩の、天才的なハーモニーの絶妙さに絶句。シンプルでキュートな造形にハートを射抜かれ、微笑ましいユーモアに和む。さんざん迷ったあげく、でも図録は買わずじまい。今回の展覧会は「クレーの創作の秘密を探る」的な分析がメインだったので、そういうのにあまり興味がない私には分不相応かと。
今回は京都駅は利用せず、JR山科経由で往復した。学生時代は山科をしょっちゅううろついていたので、懐かしくなり路地裏も入ってみたけど、もう昔の面影なし。
少数の知っているお店もすべて消え、寂しい思いをするも、ご夫婦でされている小さなパン屋さんを見つけ、自分の嗅覚を信じて入店する。四角いクリームパンや大きめのクロワッサン、ぎっしりフルーツがつめこまれたアップルパイなどを購入した。翌朝の朝ご飯にしたら、大好評だったので大当たり。
行きには10時半頃の電車に乗り込み、3時半には帰宅する大急ぎのお出かけだったけれど、春を(そして花粉も!)満喫した一日で、満足満足。