野菜の名前
久しぶりに「デイリーポータルサイト」をみたら、「野菜の種の名前がおもしろい」という記事に一部ウケてしまったので、それについて。リアル畑仕事とは関係ないけど、「野菜」の話なので、カテゴリは「畑仕事」で。
ポピュラーで品種の多いダイコンから攻めてみよう。
『平安早太り時無(へいあんはやぶとりときなし)』は「俵藤太秀郷(たわらのどうたひでさと)」みたいでサムライっぽい。
『夏のきざし」というポエムなネーミングがあるかと思えば、「甘い大根、葉もおいしい」というコピーの『ホワイトスティック』や「おろしにぴったり」なので、ずばり『おろし』などという、そのまんますぎるネームまである。
キュウリは『なるなる』とか『シャキット』とか、いかにも名付けに思い入れのない人がつけたであろう、脱力感あふれるテキトーさだ。ナスビの『黒福』とか『飛天長』という漢語的で重厚なネーミングとは雲泥の差である。おまけにキュウリには『さつきみどり』というパクリな名前だってあるのだ。
西洋野菜のアスパラガスはアメリカン。だが『ウェルカム』とか『メリーワシントン』とか、由来がよくわからない名前だったりする。
同じ西洋野菜でブロッコリーのフィールドでは、『スティックセニョール』という英語とスペイン語の混合ネームまである。きっと中南米をイメージしているのだろう。ついでながらブロッコリーはアスパラと同じく、地中海原産である。なのに、『エンデバー』や『チャレンジャー』などとスペースシャトルっぽく名付けられているものもある。やはりナゾだ。
ほかにも、つるなしいんげんの『サクサク王子』(つるがないと王子?)とか、紫紅色のオクラ『ベニー』(たしかにオクラにあるまじきベニ色だが)とか、『瀬戸パラマウント』という壮大な名前のパセリとか。
パセリといえば、ウィキペディアにあった逸話。
料理の飾りとして使い、あまり食べることがないのは日本人の特色であるらしく、ヨーロッパなどへのパック旅行でレストランに入った観光客たちが皆パセリを残すのを不思議がった従業員が、「日本の宗教にはパセリを食べるな、という戒律があるのか」と添乗員に訊ねたというエピソードがラジオなどで紹介されている。