バラの名前ふたたび
図書館で借りて来た『Rose Book バラ図鑑625品種(『花時間』特別編集)/角川マガジンズ・発行)で、カラー別に並んだバラのポートレイト(?)写真を見て、あれ?と思った。
名前のうしろに「+」のつくバラがあるのだ。「キングスプライド+」「プリマドンナ+」「ドルチェヴィータ+」みたいにね。
名前の最後に「+」が付くバラは、オランダの育種会社、LEX社の作出した品種名につけられているそうだ。LEX社は世界の一流ブランドになるべく、世界中のひとたちに覚えやすいマークをつけたそうだ。なるほど「+」なら万国共通だもんね。なかなか野心的な会社だ。
ところがさらに、感嘆符!のつくバラの品種名がある。「クールウォーター!」(!つきなんて、クールじゃないじゃん)「ガーデンスプリング!」「パリ!」「ロゼンダ!」「ピレネー!」「ユキミ!」「アンネマリー!」「キャメル!」「トリックス!」「イナ!」などなど、感嘆符の付く品種名はピートスクルールスホールディング社の作出品種だそう。
「+」はクールだけど、「!」は暑苦しいかも。でも感嘆符付きのバラ自体はかなりイイ線いっててキレイ。
ほかにも、「ステンレススチール」っていう品名があり、どんだけゴツいんや?とビジュアルをみたら、薄紫のクールビューティーだったし、かわいらしい白薔薇なんだけど「M-白雪姫」という名前は、ややインビな匂いがしたりして。
有名人に捧げたバラというのも「へぇ」度が高い。王族や皇族の方々は、いうまでもないので割愛するが、芸能人に捧げたバラもいくつか発見した。
大地真央に捧げたそのまんまのネーミング「大地真央」。渡辺美里に捧げられた「シャンテロゼミサト」。そして黒柳徹子に捧げられた「トットちゃん」。
飲み物の名前も、オレンジ・茶系色のバラには結構あった。「ホットチョコレート」「ショコラ」「エスプレッソ」「カフェラテ」「モカ」「シャンパン」「ブラックティー」。喫茶とバラは相性がいいのかも。
開花する時間経過とともに色が変化する「アブラカダブラ」とか、やはり色変わりしてきれいだけど退廃的な気分を漂わす「ハロウィン」だとか、日本的情緒あふれるパープルの「しのぶれど」とか、名は体を表すという一群れだってある。
ミックスカラーの「アンリ・マチス」とか「セザンヌ」は、さすが画家の名前を冠するだけあって、素晴らしい。「アンリ・マチス」は濃いピンクの絞りで、「セザンヌ」は、クリーム色の花びらのふちに淡い紅のぼかしが入る。相当にロマンチック度が高くて、すっかり私のお気に入りだ。
バラは奥が深い。名前だけでも、こんなにわくわくするんだから、バラマニアがバラにぞっこんになるのは、むべなるかなである。