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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

大胆かつゴージャス

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 金沢といえば「金沢21世紀美術館」を誰もがオススメする。かくいう私も今回まず行きたい場所だったのであるが、HPをみて「う〜ん・・・」と躊躇してしまった。現代美術の美術館なのだ。しかも私には手強そうな種類の。

 現代美術でも、たとえば野外に広がる「養老天命反転地」は、もう一度行ってみたいし、お子様にもおすすめしたい場所だ。現代美術が全面的にダメなわけではない。

 美術を評して「わかる」「わからない」ってよく言われる。私の個人的体験では、「わからない」けど感動する、あるいは「わからない」けど「面白い」ものもあれば、「わかる」「わからない」に関わらず「意図はわかるけどつまらない」とか最悪「気分悪い」というものだってある。単純に好みの問題だ。

 Kちゃんは美術館には縁遠い人だけど、同級生や金沢の人にも「絶対行くべき場所」と言われたので、とりあえずトライしてみることにしたらしい。4時に待ち合わせして、ふたりで行ってみた。

 いくつかはまあ面白いかも、という程度の展示で「予想通り」ではあった。それでもミュージアムショップの本のセレクトがなかなか面白かったのと、カフェのケーキセットが美味しかったのが、収穫と言えば収穫。(おいおい、展示品はスルーか?!) ブックコーナーには、建築関係から写真集まで。谷崎潤一郎(『陰影礼賛』が10冊ちかくあった)からみうらじゅんまで。背表紙をみるのは楽しかった。

 そこから宿への帰り道に、ソフトクリームの立体看板を出した店に大注目! ああ、でもさっき「疲れたねえ。疲れた時には甘いものだ!」と美術館のカフェでケーキセットを食べたばかり。さすがに連続スイーツは諦める。

 とはいえ、そのお店のソフトクリームは明日必ず、と心に誓う。金沢の工芸品である金箔のせソフトだ、食べない訳にはいかないぞ。

 という訳で、翌日駅に荷物を預け、武家屋敷を見学したあと、ふたたびその場所に舞い戻り、ふたりで金箔ソフトを食した。ふつうにおいしいバニラ味で、金箔の味も金属の違和感もなく。

 ただし、唇に金箔が載り金色になる。唇が金色になるとセクシーな気配が漂う。クリムトは金のエロティック効果を熟知していたのだと、西洋美術の理解を深めた。しかし美術館でなく、金箔屋さんのソフトクリームでクリムトを感じるとは。

 帰宅後、ソフトを買った「今井金箔」店のレシートをみたら、科目として「ソフトクリーム」ではなく「ショクヒン」ですらなく、そしらぬ風に「コウゲイヒン」とあった。ちなみにひとつ400円。

 その工芸品です↓

 金箔が大胆、かつゴージャスにあしらわれ、満足満足。