六曜社珈琲店へ
長年、行きたい行きたいと思い続けていた『六曜社珈琲店』に、やっときのう初入店。
お天気もいいし、おばあちゃんはデイなので10時前に出発し3時すぎに帰宅の計画を急遽たてて、京都文化博物館の『帰ってきた江戸絵画 ニューオーリンズのギッター・コレクション展』へ出発する。
かわいくてお茶目なコレクションだった。これがポスターにもなった伊藤若冲の『達磨図』↓ 「それがどうした」的まなざしが楽しい。
脱力満載の昼寝(寝坊?)する布袋さんを描く、仙がい?義梵の「欠伸布袋図」もいい↓
とんでもなくシンプルな線の中原南天棒筆「托鉢僧行列図」が、いちばんのお気に入り。あまりの脱力加減にほのぼの。しかも、ご丁寧に往復するのが笑える。
河原町三条という抜群の立地にある古い喫茶店、『六曜社』に行こう!と、これも博物館を出たとたん、急遽決定した。『六曜社』に行くなら予算的にギリギリなので、お昼ゴハンはパスすることになるけれど、それでも『六曜社』に軍配があがる。H氏と行こうとするたび閉まっていたのだ。だいたい元旦だったので、仕方ないのだけれど。
烏丸御池から河原町三条間にあったレトロ建物。公衆電話を使う尼さん(たぶん)がアクセント↓
若い時には、なんだか「オトナの喫茶店」というにおいがプンプンしていたので、気後れしたのだ。お店の前は何回通ったかわからないくらいなのに。
いつも雑踏で人が行き交うメジャーな通りなのに、媚も客を招き入れる様子も無い、孤高を保つ静寂さが扉からも漂う場所だったのだ。烏丸御池から河原町三条まで歩いて、六曜社にたどり着く。1Fと地下の2軒のうちどちらにしようかと迷ったあげく、地下に決定。看板にあったドーナツに誘われたのだ。やはりまったくお昼抜きは私にはムリでしょう。
長年行きたいと思っていたお店なので、やや緊張気味にカウンタ―に座る。先々、電気を使わないようにコーヒーメーカーを手作業に切り替えようという思惑もあるので、一人分の珈琲を手作業で淹れるマスターの手元を観察する。
ドリッパーは白い陶器製。コーヒーペーパーの綴じ部分はきちんと折って、しっかりお湯で濡らす。挽いた珈琲は3人分くらい気前よく使う。ポットで沸騰させたお湯をドリッパーに注ぎ、しばし蒸らす。(カップにもお湯を注ぎあたためる) そのあと、1、2、3と3分割にお湯を小刻みに注ぎ、分量が溜まったらコーヒーサーバーを少しだけ火にかける。こんな感じかな。
たっぷりと挽いたコーヒーが入っていたのに、すっきりと軽く飲みやすい。でも当然薄くはなく、コーヒーの控えめな美味しさに満ちている。
それからドーナッツ! いかにも手作り感あふれるいびつな形がいい。からっと揚がっていて、固めでさくっと、幸せなほの甘さ。思わず「家でドーナッツ揚げなきゃ!」と、思ってしまったほどにおいしい。
特筆すべきもの、というのが他にもあった気がするのだが、ま、いいか、ネット上には『六曜社』情報はあまたある。写真も動画もあるんだし。
お昼ゴハンと引き換えに『六曜社』に行ってよかった。ひとりでいくにはうってつけの喫茶店だから。
そこから四条烏丸までお店に寄り道しつつ徒歩で戻り、地下鉄で京都駅まで。
帰りに京都駅構内でオータムジャンボ宝くじを買う。おかげで、もうちょっとで電車に乗り遅れるとこだった(焦)