昔の話じゃない。
ふと気がつけば11月もなかば。
ウキウキと『カーネーション』に夢中になっているうちに、いつしか月日は怒濤の様に年末へダッシュしていた。
けど今日の『カーネーション』の話をすれば、つらいことばかりな奈津ちゃんに、子どもの頃から憧れていた男性から名前を呼んでもらうという心ときめく出来事があって、なんだか心がほんわりした。しかし子役の『太郎君』は、幼すぎてほとんど動物並みになんもわかってなかったな〜(笑)
別の意味で(笑)なんもわかってない女性の洋服を小馬鹿にする「紳士服ロイヤル」の人たちに、糸子はムカムカするけどこういう展開のドラマでありがちな「異議申したて」をしない。ムカムカするけどスルーする。もっとも心中は怒りが爆発しているので、岸和田弁でなく標準語になっていた(笑)
「オ〜モ〜チャ〜〜〜!!??
ドレスのこと、おもちゃっていいましたあぁ〜!!!???」
彼女の性格なら男や上司とケンカするのなんかどうってことないのに、と思われそうなんだけど、これはやはり脚本家の作戦だろう。だいたい言ってわかるような利口で鋭敏な人たちなら、まずこんなこと(「ドレスはおもちゃ」発言)口にしないだろうし。
15分とは思えないような濃縮されたドラマには、一見時間の無駄遣いみたいなディテールや笑いもしっかり入っているが、しょーもない男の偏見への抵抗なんて、しょーもないムダな場面として書くこと自体、カットされているのだろう。すごいアイロニーだ。前ドラマ『おひさま』と比較したらよくわかる。抜きん出ている脚本だ。
それでいて専制君主の糸子の父は、愛情いっぱいで魅力的に描かれているんですよね。糸子の父は、なんもわかってへん、しょーもない男ではないからね。
と密かに朝から(脚本家に)皮肉られている(であろうと思われる)「紳士服ロイヤル」にいるような人たちは、現代にもしっかりと日本の隅々にまで棲息されているので、なんだか「ふふふ」と笑いが漏れてしまう。おもわず「わかるかね? あけちくん」と心の中でつぶやいてしまったりしている(笑)