こんにちは江國香織さま
江國香織さんの『抱擁、あるいはライスには塩を』をやっと読み始めた。
実は江國香織さんは、なんとも読まず嫌いで、今回は読書会の課題本になったればこその、初・江國香織体験だ。
なんで読まず嫌いだったかというと・・・彼女のオシャレでスタイリッシュな感じがどうにもとっつけなかったらしい。装丁とかタイトルとかジャンルとかイメージとかにすぎないんだけどね。なんというか「とりつくしまがない」感じ。入口がわからないというか。
しかし「読まず嫌い」というのは、読んだためしがないから、実は嫌いかどうかすらわからないのだ。読んでみて初めて「ああ、大丈夫!」と安堵した。「意外に面白い」とも思った。おそれていた「女子が憧れるロマンティックな世界」が展開するのだろうという予感は見事に当たり、そして外れた。
古い洋館の豪邸に住む一家。そこに居心地のいい図書室がある、というシーンから始まるので、いきなり「連れ込まれてしまった」のだ。図書室がある旅館、というだけの点で「俵屋旅館」に憧れてしまう私は、こうして赤子の手を捻るより簡単に籠絡されてしまった。
登場人物の装いや洋館のしつらえ、荒唐無稽なほどの豪奢だけど上品な暮らし。たとえば欧州貴族のようなオヤツや食事や教育などは、女子が憧れるロマンティックな世界だ。が、それはかなり骨太なロマンティックさだった。
しかし大いなる計算ミスが発覚する! 分厚い本だからかなり頑張らないと読了できないとは覚悟していたのだが・・・。読み始めて指の感触で、ページがえらく薄いのに気付いた。できれば気付きたくなかった、恐ろしい事態だ。
まさか、まさか、600ページもあるなんて!!! 唯一の救いは「読みやすい文章」と世界観が確立しているので、ページが順調に繰れていくこと。
自分自身の健闘をおおいに祈っている(幵 (入 ̄;) 願!)。