日記帖より:幼稚園バス旅行編
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
まだ20世紀だった頃の古いイラスト日記から。Tくんが幼稚園の頃なので、およそ20年前の話である。
幼稚園のバス旅行でのこと。
バスガイドさんは、幼稚園児たちと元気なコール&レスポンスで、順調に車内の空気を盛り上げていた。
すっかり和やかでいきいきした空気ができあがったところで、おもむろにバスガイドさんは、紙芝居のようなものを取り出した。
「これから動物クイズをしま〜す! 動物の絵を最初ちょっとだけみてもらうので、その動物がなにか、わかったら大きな声でおしえてね! じゃ、いきますよ〜♪」
Tくんのおきにいりの人一倍元気なお友達は、一番前で誰よりも大きな声で「はあ〜い!」と、いいお返事をした。それが下の場面である。
彼は動物のツノが出てきた瞬間に、「はーい!!」と元気いっぱいに手をあげて、「動物」の名前を口にしたが、他にもユニソンで唱和する子どもたちの声が、バスの中に響き渡った。
しかしそれは、バスガイドさんが予期しなかった答えだった。それは「動物」ですら、なかったからだ。
アンパンマン人気、おそるべし。