日記帖より:琵琶湖文化館
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
いまは残念ながら休館中だけど、20年前の琵琶湖文化館(大津市)は、夏休みには企画展もあり、水族館施設もありで、なかなか賑わっていた。
Tくんは大人しい男の子で、「する」より「みる」方がずっと好きだった。だから淡水魚の展示をしていた琵琶湖文化館に行こう、ということになったのかもしれない。
琵琶湖文化館の入口に、鯉の人造池があった。そこには、恐ろしいほどにでかい鯉がひしめきあって、大口をあけ身を乗り出して、来館者にエサをねだっていた。バシャバシャと水しぶきをあげ、押し合いへし合いしながら大口をあけて上半身(?)を水面に出し立ち泳ぎをする鯉たちは、まさに大迫力の「ツバメの子状態」である。
そのとき、たまたまドーナツを持っていたH氏は、エサをねだる鯉にドーナツをちぎっては投げ、ちぎっては投げして、おおよろこび。となりで息子のTくんは、「だれがやるか」とばかりにむしゃむしゃとドーナツを食べまくっていた。
その後、係員に「鯉にエサをやらないでください!!」と厳重注意を受けたH氏だった。
私はと言えば、とぼけた風情の淡水魚たちにツッコミながら、彼らのスケッチをしたのだった。