ハニワ皇帝
新聞紙上では、ときたまヒットをとばす3面のコラム記事が好きだ。肩のチカラが抜けきった内容で、ごくごく短い文章なのに、ラストはきっちり落とす。暗くなりがちな紙面に、ほんのりと照らされた一隅である。
そしてもう本当に、ずいぶん長い間私の中では振るわなかった朝日新聞の「青鉛筆」ではあるが、今日やっと久々のホームランを目にした。誇張でなく「カキーン」という金属バットの幻聴を耳にしたくらいだ。
大阪府八尾市立しおんじやま古墳学習館の新しいキャラクター、「ハニワこうてい(皇帝)」の紹介記事だ。 皇帝の基本設定は、「古墳が放置されたことを恨み、ハニワ帝国をつくってハニワ国民を増やし、世界征服の野望を持っている」というらしいが、このあたりはちょっとユルいかも。って、シチュエーションはパクリやし。
しかし「ゆるキャラ」ではない。なにしろ「皇帝」なので、デーモン小暮閣下のように、態度もしゃべりも上から目線だ。ゆるくない、というか、学習館サイドのコンセプトとしては「コワいキャラ」らしい。今年の四月よりデビュー、もとい、降臨された。
スタンプもステッカーも作ってある。もちろん着用する着ぐるみも。
ふつう、着ぐるみのキャラクターは動き重視なので、しゃべりはない。キャラクターが発声するのは、2次元の画面上がせいぜいだろう。
ところが学習館は、ちがう。畏れ多くも皇帝おんみずから、小学生の見学者を案内し説明する。これはなかなかに珍しいと思う。中の人は必死のパッチだろうけど(笑)
しかも新聞のコラムによれば
「ちゃんと覚えて帰れ」と完全に上から目線。子どもたちにまとわりつかれると「うるさい!」と怒声も。
新しい!
見学のラストはたぶん「質問コーナー」になると思うのだが、どうも「皇帝の中に入っている人は誰?」という声がスタッフブログの感触では多いみたい。学習したことより、そっちかよ〜!?なんて、堅いことは言いっこなしだ。ノリのいい団体は、記念撮影もされている。
皇帝デビューのときなんか、その学校の教頭先生の声に似ているから、「先生がはいってるんや!」「ちがうわ!」という掛け合いもあったとかで、なんだか微笑ましい(笑)
大阪の八尾市にて、マニアックな古代史ファン、およびハニワマニアのちびっ子が増えることを期待しつつ。