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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

母娘で文学話題

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 今日は夜Kちゃんと、2時間にわたって文学話題で盛り上がってしまった。

 そもそもは授業で習った『舞姫』の話からだ。あれはアバウト実話(でも本物のエリスは、しっかり者でカッコイイ)だという話から、森鴎外話題に。

 Kちゃんは、教科書に載っていた彼の写真を見ると、まずはおでこが広いのでびっくりしたらしい。次いで髭が3Dみたいや〜と隣の子と受けてしまい、授業そっちのけでほとんど森鴎外の風貌の話をしてしまったらしい。

 髭が3Dって!? 私はそんなの気づかなかった。

 教科書の森鴎外近影写真を見せてもらう。

・・・あ、私の時と教科書に載ってる森鴎外の写真、ちがう! へんなの〜へんなの〜! なにこの風に吹かれてるみたいな口髭は(笑) 「びっくりしたな〜もう〜」みたいな表情は(笑)

 じゃあジュニア人物事典の森鴎外は? ・・・ああ、こっち、おかーさんが教科書でみた森鴎外。お墓の写真も載ってる。「森林太郎墓」。なにこの大きい太いかわいい字体は!? お墓に彫る字体とちがうやん〜(笑)

 と、私が墓石の字体に受けていると、Kちゃんは

森鴎外の本名って、森林太郎ていうんや。木だらけやんか。ようつけたわ、こんな名前、名字『森』やのに、なんで名前に『林』つけたんや? ねらったんか? 樹木希林もびっくりやな」

 というので、さらに私がツボにはまる。

 その後、課題のテキストから導いて書くことを求められる小論文についてのアドバイスを求められた。

 「なんか、さっぱりわからんかった」という元のテキストには、のっけからカフカの『変身』の冒頭が引用されていた。朝起きたら、巨大な毒虫に変身していた、という不条理文学だ。文系の常識である。これを使った評論文がテキストなのだが、ここでオドロキの事実が判明する。

 彼女はカフカの『変身』の冒頭を知らないのだ! おいおいおいおい〜! 

 ということは、カミュの『異邦人』で、殺人理由が「太陽が黄色かったから」というのも・・・?

 「『異邦人』てゆーたら、♪こどもたちが〜空に向かい〜両手をひろげ〜」しか知らん」という、予想通りの答えが。 

 はああ・・・。

 天野祐吉が以前、「今の若い子は清水の次郎長の子分、大政・小政を知らんので、『おうまさん・くまさん』と聞き違える」と嘆いていたけど、それ以上だな。

 大学生になったら、とことん『一般教養』に励むように。