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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

『平清盛』は個人的プラモ。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 『平清盛』は、なんだか不思議な大河だなあ・・・とずっと思っていたし、以前ここにもそのことは書いていた。

 なんというか、いろんな説明が(たぶんあえて)されてなくて、すっとばして次の場面に行ったりするので、「???」と思う人たちはいっぱいいただろうし、私だって例にもれない。前回だって、歴史に詳しい方の『清盛ブログ』を垣間みて、「へえ〜、へええ〜!」とドラマ終了後3日ほどは、知識の田植えにいそしんだりしている。

 なんで後白河院比叡山延暦寺ではなく、わざわざ園城寺三井寺)の僧に戒師をたのみ、得度し法王となったのか? この二寺に確執があることは一応説明されたけれど、その確執ってなんで? どんな? というのはわからない。というか、そんな説明いちいちしてたら、話が全然進まない。

 そこで自分で、あれを調べこれを調べすることになり、歴史に堪能な方の清盛ブログや、勉強熱心な方の調査済み清盛ブログをも探してチェックしたりすることになって。いや、これがめっぽう面白いし、かなり勉強になる。

 たとえば「保元の乱」前後の頃クローズアップされていた藤原頼長さまの調査時に発見した、tapestryさんの素敵な清盛ブログ(いや、清盛大河の記事だけでなないのだけど)に共感の嵐!

 と共に、知的好奇心を的確に掘り下げるセンスの素晴らしさに思わずコメントし、うれしいことに盛り上がってしまった。彼女にはこちらの辺境ブログにも来ていただき、ときどきコメントをいただいている。ありがたいことである。そんな思いも寄らないプレゼントもあるのだ。

 朝ドラ『カーネーション』や『ちりとてちん』、入れ込んで再放送も必ず見ていた昔の大河『新選組!』みたいな熱気(というかクレージー)あふれる視聴ではないけれど、『平清盛』は、やはりパーフェクトに見たい。そしてやっぱり、部分的にしろ「あーだこーだ」言いたかったりする。自分の知識の欠落した部分を埋めながら。

 『平清盛』はもちろん完成品として放映されているのだけど、個人(少なくとも私)にとっては完成品じゃない。自分の身の丈に応じた(私の)大河ドラマ平清盛』を主体的につくりあげる、そんな能動的なドラマなんじゃないか、とふと思った。

 受け身ではバラバラの部品と、箱の表面の完成図しか見られないけど、自分でコツコツ(一話ずつ)作り上げて行けば、なんか精巧な建築物みたいなのができつつあるのを感じて、エキサイトしてしまうのかもしれない。受け身で見たら平面だけど、ポジティブに見れば3次元、しかも手を加えるだけ豊かな世界にできる。

 気持ちはNHK大河ドラマスタッフさんと共に主体的に関わって、どきどきしながら何ができあがるのかを想像したり、期待したりする、そんな視聴者の数だけあるドラマ。でも、深い歴史的知識を持たない受け身のままだったら面白くないのかもしれない。ポジティブに見る新しいタイプの大河だから、不思議な感じがしたのだろう。

 時代背景や登場人物や文化や、その他枝葉末節(たとえば唐菓子や後白河院が被っていた紙のお面)に関しても気になることが溢れているので、私の中ではどんどん広がって行くドラマでもあるのだ。

 ちなみに最近私が興味をもって調べたのは、頼長さま亡き後、朝廷の実力者となる(有薗芳記さん演じるところの)藤原経宗さんについて。

 ドラマでは山本耕史さんをもってして、表情をつくるのが難しいと言わしめた公家メイク(お歯黒に眉剃り)を自在に操り、その僅かなショットの表情だけで、スルドク笑いをとることができる人。あの顔芸はスバラシすぎます!

 そんな顔芸をみている限りは、政権には場違いな人か?と思っていたのに、調べて見るとなかなかの人物だったらしく、浮き沈みが激しくとも政治の中心に居続け、実際仕事のできる実力者だったらしい。

 というか二転三転する激動の時代を生き抜く柔軟さ、しぶとさは、まるでフランス革命後をかいくぐったジョセフ・フーシェのようだ(褒め過ぎ!)。なんてしたたか、藤原経宗、そして有薗さん、グッドジョブ!!(すっかりお気に入りキャラ)