みうらさん、ロフトジャック!
今年の1月に梅田の「丸善&ジュンク堂書店」ビルに行ったばかりなので、その隣にあるロフトには事前の下調べと、うっすらな記憶を頼りにたどり着けた。大阪で、誰にも道を聞かずにたどり着けるのはうれしい。
ロフト自体が、私やKちゃんにとっては、ほとんどテーマパーク以上にテーマパークなので、ロフトに来た、というだけで、テンションがあがる。
それなのに会場の7階へ行こうと、エレベーターを探したら、もうこの有様だ。
「国宝みうらじゅん いやげ物展」のメインキャラクターは、畏れ多くも「つっこみ如来さま」だ。もちろんみうらさんの作られた仏像で、私は以前「愛・地球博」のみうらさんのイベントで、小さいホンモノ(アヤシイが)を見たことがある。煩悩多き人間に「えーかげんにしなさい!」とつっこんで下さる。「えーかげんにしなさい!」。「つっこみ如来」さまは、この普遍的な漫才のラストの台詞が、いかに宗教的かを端的に示す日本人の叡智の結晶である。
「いやげ物展」のパンフにもポスターにもチケットにも、暗黒をバックにこのお方が「えーかげんにしなさい!」と、みうらさんの物欲をいさめているのだが、もちろん彼は聞く耳持たない。(というか聞く耳を持ってしまうと仕事にならないだろう)
そしてパンフやポスターやチケットだけでは飽き足らず、如来さまは、意外なところに出没される。
エレベーターのドアが開いた。一瞬のけぞる。もちろんエレベーターの中にも、「催し物案内」という枠を越えて、大々的につっこみ如来さまはいらっしゃるのだ。その迫力に、どきどきした。
ちなみにエスカレーターも油断はできない。なんと足元の銀のサイドラインに「国宝みうらじゅん いやげ物展」と細長い広報が貼付けられていた。
もちろん各階には、手頃な大きさのパンフレットが、心憎いまでに手に取りやすい分量で置かれていた。
つまり梅田ロフトは、「つっこみ如来さま」だらけなのだ。物欲をかき立てる各売り場に、煩悩をいさめ「えーかげんにしなさい!」とポーズをとる如来さま。もうこの風景だけで、すでにみうらじゅんワールド全開だ。矛盾する世界を笑うべしという、みうらさんの暗黙のギャグなのかもしれない。
ロフトをジャックするみうらじゅん、恐るべし!