日本人のクチグセのひとつ
H氏が草刈りをしてくれるのはうれしいのだが、刈ってほしくないものまで刈ってしまうことが頻発する。先だっても間もなく花が咲くだろうと楽しみにしていたアイリスたちを、見事に刈ってくれた。
雑草に覆われた地面から、自然に生えてくてくれる分なので、分かりづらいことは百も承知だが、やはり残念。違う場所に植えて、手作業で草取りをしているスペースにある、私が昨年植えた白いアイリスだけは、辛くも生き延びることが出来、美しく花を咲かせている。
これではいけないので、庭先の「刈ってはいけない草」をレクチャーした。
ユーパトリウム「チョコラータ」またの名「フジバカマ」。これは葉っぱがチョコレート色なので、わかりやすい。
桔梗も昨年買ったものが、しっかり出て来てくれてうれしいかぎり。
去年、しっかり剪定したからか、初めてコデマリらしい花をつけてくれた。いままで鞠状に花をつけなかったし、そもそもごく僅かしか咲かなかった。世話をしたら応えてくれる園芸の世界は素晴らしいと思う。いや、たまには応えてくれないこともあるけど。それは自然のものだから、そういうこともあるかと。
そしてこれは「ギンミズヒキ」。ミズヒキの白い花版。「たねや 日牟礼の舎」でみかけ、楚々とした和風の姿が素敵でずっと憧れていたのだ。ほんとは赤い花のミズヒキが欲しかったんだけど、これしかなかったので。
「はい、これミズヒキね。これも刈らんといてね。ほら、模様が宇宙人のカオみたいやし、わかりやすいやろ?」
畑は好きなくせに、植物には全く関心がないH氏が、突然興味深くミズヒキを観察した。「宇宙人」という言葉に反応したのだ。
「ほんまや!! 宇宙人のカオや!」と、感動的につぶやいて、日本人ならおなじみのフレーズを、お馴染みの声色で発語した。
「ワレワレ ワ ウチュウジン ダ」