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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

アバウト幽霊・妖怪画大全集

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 この展覧会では、京都出身の日本画家で、著名な風俗研究家でもあった吉川観方(1894〜1979)のコレクションを中心に、肉筆画や浮世絵など約200点を紹介されている。この先生、江戸から昭和期の資料を収集。大正期に幽霊画集を出版し、自らも描いた。彼の作品はお歯黒をつけ、朝の化粧をするお岩と、夕闇の中、蚊やり火をたくお菊を描く「朝露・夕風」として展示されている。

 彼が生涯をかけて収集した日本の幽霊画・妖怪画の名品は、現在、福岡市博物館に収蔵されている。実はこの企画展、先に福岡市博物館で行われたもので、すこぶる評判がよかったものだ。

 円山応挙が描いたと伝わっている美しい「幽霊図」、ほほえましいかわいさを持つ伊藤若冲の「付喪神図」、日本中の妖怪たちを集めた圧巻の「百怪図巻」など。さらには歌川国芳(うたがわ くによし)や月岡芳年(つきおか よしとし)らが描いた怪異なテーマの浮世絵版画なども。

 ポスターになっているのは、歌川国芳(1797〜1861)による「相馬の古内裏(ふるだいり)」。当時流行した読み本「善知安方(うとうやすかた)忠義伝」が題材で、平将門の遺児の瀧夜叉姫(たきやしゃひめ)が操る骸骨と、大宅太郎光圀(おおやたろうみつくに)が戦う。原作では、人間大の無数の骸骨がわらわらと現れるが、国芳は1体の巨大な骸骨として描いた。大胆な構図は独創性あふれる国芳ならでは。絵から飛び出してきそうな骸骨は、迫力満点。

 国芳は、以前彼の企画展で観たものがいくつもあるが、改めて土蜘蛛を始めとして、妖怪がとても可愛く描かれていることに恐れ入る。もしかして国芳、人間より猫(大好きで有名)や妖怪の方が好きなのか?

 ウェブのLマガジンでは、この展覧会の醍醐味をうまく紹介しているので、ご覧あれ→http://lmaga.jp/blog/news/2013/05/yokai.html