真夜中の笑い声
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
やっと読み始めた岸本佐知子さんのエッセイ、『なんらかの事情』。これ「なんらかのジジョウ」です。「なんらかの情事」と読み間違えないでくださいね。どちらの場合も妄想はどんどん広がりますが。
これがもう可笑しい。最初はくすっと来る。そのくすっ、が終わるか終わらないかのうちに、次のくすっ、が来る。そのくすっ、がまだ半分残っているうちに、追い打ちをかけられ、うふふとなる。うふふにダメ押しがきて、ガハハとなる。
コレを読み始めたのが、夜中の1時すぎで、ベッドの中だ。波状攻撃で押し寄せる、つぶやくように控えめな小声でささやく「あるある話題」から始まり、妄想が妄想を呼ぶ文章。お腹をよじる私。夜の静寂(しじま)に、息つぎしながら遠慮がちに響く笑い声。
客観的には、かなりホラーだろう。