坂道をくだる。
こうしてなんの違和感もなくRさんを迎え、いきなりトリオとして成立した「長谷寺ユニット」は、駅前ロータリーの端から「歓迎」されながらゲートを潜った。
歓迎ゲートを潜ると、いきなり石段だ。あまりにも唐突な歓迎ぶりに度肝を抜かれるが、下りなので許そう。
ゲート真下からの風景。
石段はこんなかんじ。結構勾配があったので、帰りは余裕をもって帰らないと、と心に刻む。石段が終わっても、下り坂が続くのだ。
あとで知ったことだが、この先もやっぱり下り坂続きだったので、帰りには最後の難関になるはずのさっきの石段は、電車の時間にせかされても、駆け上がるのは不可能だ。(とくにオーバーフィフティメンバーは)
それでも、「あじさい祭」の幟旗が、わくわく感を盛り上げる。それに高台からの山並みは、いかにも奈良らしく「まほろば」という言葉を呼び起こす。「まほろば」とは「すばらしい場所」「住みやすい場所」という意味だ(今調べた)。
坂道、石段、坂道と交互に下る。それも細い坂道なのに、意外なほど車が通って行く。
坂を降りたらタバコ屋さん。というか、民家の前の自販機に懐かしい屋根がかかっている、といった方がいいのか。お家の前には小振りな花のプランターがある。いいぞ、このかんじ!
Rさんは「尾道みたいですね!」と、さえずるように楽しく語られる。
私は行った事が無いが、なるほどそうかもしれない。ああ、尾道も、足が元気なうちに行っとかなくちゃ。
お品書きを兼ねた、シンプルながら斬新な看板のお食事処だ。
さすが門前町、古いお屋敷もたくさん残っていた。
黒い壁、白い虫籠窓、玄関先に、なにげなく欄間細工。
おめでたい鶴の瓦。
そしてゴール前でキックをするサッカー選手のように、考え深げにボールと語らう獅子さん。