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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

中島京子さん調査中。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 次回の読書会の参考にするため、中島京子さんのことを調査してみた。

 すると、妙にぐっと共感する部分があって「もしかすると、ものすごく私と気が合う方かも!?」と、知れば知るほど気になってくる。しかも中島さんは私より3つだけ年下で、ほぼ同世代だ。

 大体デビュー作が『FUTON』だもんな。田山花袋の『布団』を妻の目線や現代視点で書き直したという驚きの小説だ。元ネタの『布団』自体が、女子にとってはツッコミどころ満載で、女子高生の頃読んでみたが、哀愁漂うエロい変態オヤジの話、と一刀両断にしていたっけ。『FUTON』が出た頃、それを「ネタ」にする、というセンスに共感した覚えがある。仕事では購入したが、残念ながら読んでない。

 で、彼女が高校生の頃、空白の多い画風でシュールな作品を描く漫画家、倉田江美さんの『ぼさつ日記』が好きだった、という箇所にも私は激しく反応した。『ぼさつ日記』!! 私も高校生の頃大好きだったよ!

 その中のひとつの話に、主人公の地獄寺ぼさつが「ある朝目覚めると、一匹のおじゃま虫になっていた」っていうカフカの『変身』のパクリの話を例にあげていらして、「ああーっ! あったあった! それ覚えてる!その話、好きだった!」と心で共感の嵐。

 そして『エ/ン/ジ/ン』という作品では、なんと「宇宙猿人ゴリ」がキーワードになっているとか! あの70年代始めにあったテレビの特撮ヒーローもの『スペクトルマン』に登場する悪役科学者「ゴリ」が!

 今となっては知る人も少なかろうマイナーな特撮ヒーローものだが、私は熱心に見ていた。もちろん私の焦点は正義の味方「スペクトルマン」ではなく、いつもイライラしながら部下「ラー」に「バカモノ〜!」と当たり散らす科学者「ゴリ」にあった。いや、「ラー」はホントにバカモノだったから言われても仕方ないのだけど。

 エンディングソングの「わったし〜は、科学者〜♪ 宇宙猿人、ゴリな〜のぉだ〜♪」という、ゴリの心象風景のように暗い曲調のマーチすら今も覚えているほどだ。(歌はハニーナイツ。『妖怪人間ベム』の歌を歌っていた人たちだ)

 「Web Kadokawa」のページ『エ/ン/ジ/ン』よりとても丁寧な説明を引用すると、こんな感じだ。

宇宙猿人ゴリ」は、フジテレビ系で1971年から72年にかけて放送されたTV番組。ゴリは地球侵略を企む 悪の科学者で、番組名に悪役の名前を冠することは当時画期的なことであったが、子ども向け番組として相応しくないという理由で結局は改題を余儀なくされる。改題は一度ならず二度も行われ、「宇宙猿人ゴリスペクトルマン」となり、その後「スペクトルマン」となった。

 内容は、猿人たちの暮らす惑星Eでクーデターを企てた為に追放されたゴリが、部下のラーとともに地球を征服しようとするが、ネビュラ71遊星から派遣されたサイボーグマン・スペクトルマンが防衛する、という特撮ヒーローもの。

 しかし主役にもかかわらずスペクトルマンは、(普段は地球人・蒲生譲二として生活しているのであるが) 独断では変身できず、ネビュラ71遊星の変身許可が必要で、また、新兵器についても指令なくしては使用できない等、葛藤の多いヒーローである。

 作品が内包するテーマは当時日本の社会問題となっていた<公害>で、ゴリは美しい地球の環境破壊を進める愚かな人間たちを、その汚染物質でつくった怪獣で退治して自らの国を作ろうとした。地球を壊す悪役を正義の味方が救う、という単純な構図ではなく、人間の愚行に対する批判が込められている。

 宇宙猿人ゴリは、「いつか描きたいと思っていた」という中島京子氏にとっての70年代の象徴である。   

 これはすごく読んでみたいな。読書会が終わったら。