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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

私的イベント終了。

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 今日は若い(小学生のお母さん)読書会との合同読書会。力及ばずながら私が当番をやらせていただき、まずまずのポップな感じで終了できた。やれやれ。

 今回は奇を衒わず王道をゆくチョイス、中島京子さんの『平成大家族』をテキストだったので、読みやすく明るく楽しく面白く後味よく、がメインの感想。狙い通り。苦さも軽い毒もある(はずの)中島さんだけど、トラブルをポップに描く技はさすが。

 今の子ども達はイジメを回避するための気苦労が絶えなくて可哀想。浮かないよう目立たないよう、右へなれえな学校生活と、モバイルの普及でネットへの気遣いまで加わり大変そう。

 一家の主が歯科医だったころの物品を、自分の部屋にごっそり陳列しているのがグロテスクだけど可笑しい。義歯だの診察台だのがある、というだけで「おおお〜」と軽いジョブをくわせられる。それを許す妻の春子さんは、「時をかける老婆」こと認知症のあるタケさんに対しても、落ち着いた愛情ある介護されていて、なんていい奥様なんでしょう! たとえ夫の囲碁仲間と心を通わしていたって。

 彼はラスト近くで動揺して診察台に座ってしまうが、その歯科診察台の描写が、あまりに「あるある」でやたら可笑しい。中島さんの筆が楽しげに走ること、走ること! 

 次女、友恵さんの元夫は、実は浮気っぽいながら、かなりいい人だったなあと思うし、幼児番組でややブレイクした恋人のお笑い芸人のしんごくんもいい。自分の息子へのプレゼントが☆☆☆なんて、ちょっといい話だった。

 今回当番にもかかわらず、あまり読み込めていなかったので、みなさんの意見にとても刺激された。ホームというものはいつも門戸を開いていて、帰ってきてほっとできる明るい朗らかな場所であるべき、という意見にもなるほどなあ〜と諾った。

 さっき思い出したけど、一家の主・龍太郎の囲碁友達である川島先生の「緋田家の文学的テーマはカフカの『変身』(克郎のこと?)だと思っていたけど、実はオースティンの『自負と偏見』(結婚・離婚問題?)だった」という見解について問題提起をするのを忘れてた。すみません!

 もしかして川島先生ったら、かなりアイロニーの入った見解なのかもしれない。知的なジェントルマンでありながら、メールのやり取りできるように春子さんの携帯を強引に設定したお方だからなあ。

 そして若読書会のみなさんに、久方ぶりにお会い出来てとても楽しかった。春以来だもんなあ。今度こそ、課題図書読まなくちゃね。