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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

さざんか、山茶花。

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 長い間花をつけてくれたコスモスやマリーゴールドも、ついに花数が寂しくなってきた。かわりに水仙の緑の葉っぱが茂り、蕾みもひっそりと現れた。なんとも上品な、静かな香りのする花が咲くのが楽しみだ。

 ところで水仙花言葉は、「うぬぼれ」「自己愛」「エゴイズム」とろくでもない意味合いの言葉ばかりで可哀想。地味な貴婦人のような植物なのに。

 とはいえ、このおとなしそうな貴婦人は意外な毒婦でもある。ときたまニュースで、ニラやノビル、たまにはタマネギ(!?)と間違えて食べた人たちが、中毒症状に陥り入院するような話も聞く。たしかに葉っぱはニラににているけど、タマネギはずいぶん違うと思う。間違えたのは小学生だけど。

 そしてこの寒さが極まった時期に明るく笑みを投げかけてくれるのが、山茶花(さざんか)だ。

 寒い時期に気持ちが沈むことがあると、どんどん重さを増してしまうが、この花を見ると、ずいぶん心が和らぐ。

 それでも和らがなければ、いっそシューベルトの歌曲集『冬の旅』なんかを聴いて、どっぷりと侘しく切なく寂しい世界に浸るのも一興かも。

 ドイツの有名なテノール歌手、ペーター・シュライアーさんがご存命のとき、実家のある近江八幡市の文化会館で『冬の旅』を歌いにきてくださったのに、迷った末、それを聴きに行かなかったのがいまも悔やまれる。もう30年近く前の話なのに。

 おばあちゃんの部屋からサッシ越しに見える山茶花の赤い花は、今年はことさら励ましてくれるように、凛と微笑んでいる。