悟りはスタート地点にすぎない。
以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。
せっかくいい感じに雪だるま氏の話を進めることが出来たのに、残念ながら続きがある。
涅槃の境地に至り、どこまでも穏やかな眼差しだった彼の目が、失われてしまった。雪が溶けて、いい加減に取り付けた目(葉っぱ)が流れ去ってしまったのだ。
目の失われた雪だるま。それはもはやヌケガラのようだった。そう、まるで宇宙人によって、人間の本質が連れ去られてしまったかのように。
そこで今度は丸い目を調達しようと、名前も知らぬ柑橘系のちいさな実をとりつけてみた。
あわわ!
これは宇宙人から、からくも生還した、カルトな教祖さまでは。
そして彼は夕方近くまで、浮遊感漂う説法を繰り広げるのだった。
悟りを得るのはスタート地点にすぎない。そこからが人間としての勝負なのかも。いや、彼は雪だるまですが。