「泣いた赤鬼」一件落着。
ずーっと『泣いた赤鬼』という物語にもやもやしていた。なんだかひっかかる結末なのだ。
しかもこれ、教科書にも載った浜田廣介の代表作である。廣介童話だ。子どもの読み物である。子どものときからずっと、腑に落ちない思いを引きずったまま、まもなく半世紀を迎えようとしている。
今日も、ふとこの話を思い出して、腑に落ちない思いに悶々としていたが、突如とんでもない考えが頭をよぎった。涙無くしては読めない友情物語の振りをしているが、もしかすると、青鬼の計画的犯行だったのではないか?
赤鬼って、どうみてもパッとしてなく冴えてない。しかも鬼としてはアウトローで、友達いない感が漂っている。もともと鬼自体があまりいない地域なのかもしれないので、たまたま幼なじみだった青鬼とは「友達」だったけど、鬼として優秀でプライドもあり頭も良く気配りも行き届いている青鬼は、成長するにつれ赤鬼のことがめんどくさくなってきたのではないだろうか。もっと気の合う鬼友達を探しに引っ越そうと思っていた矢先、願っても無い赤鬼の悩み相談に乗っかる事に。
またとない友情篤い青鬼として赤鬼の心に残りつつ、後腐れ無く別れられた、という青鬼の企みだったのでは。
実も蓋もないけど、ものすごく腑に落ちた。個人的には、一件落着。