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紙魚子の小部屋 パート2 plus はてな版 (2009年9月〜)

平凡な主婦の日常と非日常なおでかけ記録、テレビやラジオや読書の感想文、家族のスクープなどを書いています。

紙魚子(しみこ)のおでかけのあれこれ、ユニークな家族、節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物などを書いています。

壇蜜のこと。

以前の記事「紙魚子の小部屋」は下のリンク集から読めます。

 13日の夜のテレビ。BSプレミアム、22時より『青春ブレイクスルー』を観る。今回は壇蜜さん。

 実は、異色のグラビアアイドルである壇蜜さんには興味があった。あの控えめなのに目が離せない感じ、静かな佇み具合なのにサービス精神ある発言、体温低そうなのにチャレンジングなところが、私にはとても異色で気になっていた。

 これをみて、「なるほど〜!!」と、とても納得できた。「壇蜜」になるまでの彼女の日々を、NHKさんが放映してくれたのを視聴して、これはことに若い人たちにぜひ観て欲しかったと、痛切に思った。

 クラスメイトや職場の同僚など、身近な人から拒否される恐怖と痛み。誰も自分を必要としないばかりか、邪魔でうっとうしい存在でしかないことへの絶望。なにをしてもうまくいかず、それどころか自分がなにをしたいかさえわからない焦りばかりの日々。死にたいと思いながらも、こわくてできないどん詰まりな毎日。その頃はやりの「自己実現」なんて、望むべくもなかった。

 息詰まる毎日に、大切な人たちの死が続き、「死」ってなんだろうと考えるうち、遺体修復師になりたいと願い、母親の大反対を押し切って養成スクールに通い始める。そこで彼女は丁寧な手際を教師に褒められて、初めて自分を必要とされる仕事と居場所を見つける。

 と同時に「自分のやりたいこと」をしなくても自分を捧げられる場所があればいいのだと、「自己実現」の呪縛から逃れた。

 それまで「死体を扱うなんてあなたの仕事じゃない」と受け入れられなかった母親が、娘の「死体は穏やかだからこわくないよ。自分が役に立てる場所がやっとみつかった」という微笑みに、はじめて娘を受け入れることができた。

 先生に認められ、自分を認めてくれる同期の友達と談笑でき、母の応援も得て彼女は自分の居場所を初めて得た。彼女は死体修復師として就職はできなかったけど、その後、応募したグラビア関係の仕事で脚光を浴びるようになるのはご存知のとおり。

 「いままで、なにひとつ手にできなかったけど、そのことが今の自分を作ったと思うんです。もし、なにかひとつでも手にできていたら・・・きっと今ほど稼いではいなかったと思います(笑)」

 というつぶやきのような、でも誠実でおちゃめな言葉も彼女らしい。

 彼女の芸名「檀蜜」の壇は「仏壇」、「蜜」は「お供え物」という意味だとか。彼女の遺体修復師としての覚醒から、ぶれないネーミングだ。彼女の仕事への覚悟のほどがわかる。